ジャーナリストでドキュメンタリー作家の小西遊馬さんがドキュメンタリーを撮り始めたきっかけは、高校時代のイタリア留学だった。

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「高校1年生のときにイタリアに留学をして、難民の友人と出会ったということが非常に大きい。当時の僕は全然、理解できなかった。自分の好きな人間の悲しみにも寄り添ってあげられない。ドキュメンタリーをつくるということは、友達を理解したいということ、『自分が生まれた世界は生きるに値するのか?』ということを知りたかった」

悲しみとともに母国から逃げてきた難民の友人を「もっと理解したい」と思うようになり、小西さんは難民や社会的に弱い立場にある人たちをテーマにドキュメンタリーを撮り始めた。

そして大学1年生のときに、バングラデシュに逃れたロヒンギャ難民をテーマにした作品で「国際平和映像祭2019」のグランプリなどを受賞する。

その後もフィリピンの路上で親のいない5歳の障害児を育てるホームレスの女性の姿や、香港民主化運動に身を投じる若者たちなど、社会問題のはざまで生きる人々にカメラを向けてきた。

「この世界は生きるに値する」ことを伝えたい

2022年3月には当時、日本のメディアがほとんど入っていなかったウクライナの首都キーウに入った。

小西さんのカメラは、前線の兵士たちに家庭料理を届ける市民ボランティアなど、極限状態の中でも正しく生きようとする人々の姿を捉え続けた。

小西さんは「『あぁ美しいな』って。人間がどれだけ本来的に美しいのかを知ることはすごく大事なこと。それでもこの世界は生きるに値する。そのことはちゃんと伝えていきたい」と語った。

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