書道の展示会場では、悠仁さまが説明役の高校生に「何回も書き直します?」「墨の調整はどうするのですか?」などと熱心に質問される場面もありました。また、写真部門の展示でも、通り過ぎる犬の一瞬の姿を収めた写真を見て、「連写?」と父・秋篠宮さまに尋ねられていました。悠仁さまは、幼い頃からトンボに関心があり、“トンボ愛”はよく知られていますが、そのトンボの生態調査に欠かせないのが写真撮影です。

「一眼レフ」がつなぐ父子の”絆”
実際、おととしの夏には、中学2年生の悠仁さまが大きな一眼レフを手に秋篠宮さまから指導を受けられている映像が公開されました。トンボの生息環境の調査は受験生だった去年も、今年も続けられていて、悠仁さまにとって記録のための写真撮影はきわめて日常と言えます。今回の公務同行を通して、ご自身の関心のある分野について新たな気づきや学びもあり、自然な形で皇族としての活動の現場経験を積まれたのではないかと感じました。


実は、父秋篠宮さまは高校時代の部活動は写真部でした。当時高校2年生の礼宮さまが、千葉県の犬吠埼に撮影旅行に出かけ、先輩、後輩と一緒に太平洋の荒波や広大な景色をカメラに収められたこともありました。この日持参されたのは、66版のものと35ミリの一眼レフの2台だったそうです。
そうした思い出がよみがえって来られたのか、秋篠宮さまは何度も「僕も高校試合写真部でした」「6センチのフィルムを持ち歩いていました」と当時を振り返り、とても楽しそうに作品を見て回られました。カメラは父と子共通の関心アイテムであり、会場で悠仁さまが父に撮影の手法を確認されていたのはこういった背景があるのです。


陛下も愛子さまも夏休みには地方公務へ
これまでにも、皇室の方々は学校の授業の無い夏休みに様々な経験を積まれています。天皇陛下は高校時代、部活動では地理研究会、書道研究会などに所属されていました。地理研では顧問の先生や部員と共に各地を訪れ、高校1年生の夏には石川県の能登地方を旅行されています。夏休みには上皇ご夫妻の地方公務に同行し、同世代が活躍するインターハイの競技を観戦されました。


長女の愛子さまが初めてご両親の地方公務に同行されたのは、中学3年生の夏休み。長野県で行われた「山の日」の式典に出席されました。登山は、上皇さまから陛下、そして愛子さまへと伝えられたご家族の共通の楽しみでもあります。ご家族揃ってチェックのシャツの登山スタイルで、式典に続き山道をハイキングし、登山客とも交流されました。
インターハイの競技は、地元東京で開催された中学1年生の夏休みに初めて観戦されています。こうした経験を、後日、陛下は「様々な行事や場所に3人で出掛けることができました。こうした機会を通じて,皇族としての務めについての理解を深め,また,自覚と役割を学びつつあるように思います」と振り返られています。
愛子さまは、高校2年生の夏にイギリスの名門「イートン校」でのサマースクールに参加して寮生活を送っていて、夏休みには皇族として、高校生として経験の幅を広げられました。




一方、佳子さまは、高校総文祭以外にも、高校1年生の夏休み、長野県で行われたガールスカウトのキャンプを初めて視察されました。参加者とおそろいのピンク色のTシャツを着て、母・紀子さまと共に同世代の野営活動を見て回られました。
今月7日、佳子さまはガールスカウトのキャンプ場を12年ぶりに訪れ、「ジェンダー平等」について話し合った内容を発表した高校生に、「みなさん素敵な発表を聞かせていただいてありがとうございました。どうでしたか?発表してみて」「全然緊張しているように見えなかったです」などとにこやかに声をかけられました。
参加者とおそろいの水色のチーフを身に付け、12年前とは違い、成年皇族としてお一人で交流される姿からは、高校生の時に視察された経験が活かされていると感じました。



高校"初"の夏休み 悠仁さまの思い出は・・・
悠仁さまはこの夏休み、学校の宿泊行事に参加し、肝試しやキャンプファイアなども経験されました。クラスの結束を高める行事なんだそうです。また、部活動や文化祭の準備のために登校される機会も多く、そうした日程の合間にご両親の公務に同行されました。
部活はバトミントン部で、シャトルは風の影響を受けるのであまり窓が開けられず、特に夏は暑さとの戦いもあってかなりハードなそうです。体つきががっしりとされた印象を受けたのは、部活動で鍛えられているからかもしれません。
高校生として学校行事や部活動などに取り組み、皇族としての活動も経験し、大好きなトンボの生態調査も続けられたこの夏休み。長期の休みを利用した公私にわたるこうした経験が、将来のお立場につながっていくのではないかと感じました。(眞子さま当時の画像を含みます)


(フジテレビ社会部・宮内庁担当 宮崎千歳)