川での事故が相次いでいる。悲劇を防ぐためには、どのようなことに気をつければよいのか。
ライフジャケットの正しい着用法を知る
東京都青梅市を流れる多摩川。多くの人が川遊びを楽しんでいる。

しかし8月11日には、熊本県の川で遊んでいた小学生の姉妹が流されて死亡するなど、8月に入って全国的に川での事故が相次いでいる。
水難事故で子どもが亡くなったり、行方不明になっているのは、河川が58.1%と最多。湖沼地が19.4%、海が16.1%、用水路が6.5%と続く。

川で安全に遊ぶには、どのような点に気をつければよいのか。専門家によると、ポイントは4つあるという。1つ目のポイントは「服装」。
川に学ぶ体験活動協議会 高橋秀明さん:
必ずライフジャケットを着るようにしてください。子供用は必ず、股の下に通すベルトが付いています。これをちゃんと止めることによって、上に上がらないようになっています。しっかりベルトをしめて使うようにしてください。

命を守るライフジャケットは、絶対に濡れないようにすることが大事だという。
また、靴は足にフィットするものを着用。落ちている空き缶や釣り針などでのけがを防ぐために、運動靴を履くのもおすすめだ。

脱げにくい靴の重要さは取材中にも…。
レクチャーしてくれる高橋さんが慌てて駆けつけた先には、女の子の姿があった。流された靴を取り戻そうとした女の子が、流されてしまったのだ。幸い大事には至らなかった。

川の深さと速さに注意 もし流されたら?
2つ目のポイントは「川の深さ」。川の底が見える浅い場所のすぐ近くでも…。
川に学ぶ体験活動協議会 高橋秀明さん:
もうここから浮いてしまいます。足がつかないくらい。

川に学ぶ体験活動協議会 高橋秀明さん:
あの岩に当たった流れが周りの砂利を流して、深くえぐれるような形になっています。

さらに、川の流れによる「水圧」にも注意が必要だ。足が岩に挟まれて身動きが取れなくなり、そのまま転倒して浅い所でも溺れてしまうケースもある。

3つ目は「流れの速さ」。
一見すると穏やかに見える場所も、水の中には激しい渦が発生しやすく、川底に引き込まれてしまう危険があるという。

また、天気の急変による急な増水にも注意が必要だ。小さな子供を持つお母さんたちも、身を守る工夫をしていた。
川遊びをする子供の母親:
流れがすごい所には行かせず、石で囲って浅瀬で遊ばせる。
石を積み上げて”囲い”を作ることで、子供たちが遠くへ行かないようにしていた。

4つ目のポイントは「流された時の体勢」。
川に学ぶ体験活動協議会 高橋秀明さん:
「ラッコちゃんのポーズ」とよく言うんですが、足を上げた状態で、足を下流側にして流れます。手をちょっと広げておくとバランスが取りやすい。

この体勢なら、しっかりと呼吸を確保できるとともに、足を下流方向に向けることで岩などに激突することも防げるという。

また、晴れていても前日までの雨で増水していることもあるため、天候のチェックは数日前からするのがよいという。川遊びの際は様々な危険性を理解し、十分に注意しながら楽しんでほしい。
(「イット!」8月17日放送)