全国の店頭に並び始めた2025年の新米だが、高値が心配されている。
一方で、農水省は、随意契約による備蓄米の販売期限は原則8月末までとしていて、販売期間が新米の価格に影響する可能性があるという。

名古屋市の専門店に並んだ“七夕コシヒカリ”は5kg5980円

愛知・名古屋市の米専門店に14日に並んだのは、旧暦の七夕、8月7日ごろに収穫される「七夕こしひかり」。
仕入れ値は2024年と比べて1.5倍に。

新米の“七夕コシヒカリ”は5kg5980円(税込み)
新米の“七夕コシヒカリ”は5kg5980円(税込み)
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気になる値段は、ブランド米ということもあり、5kgで税込み5980円だった(2024年は約3750円)。

小川屋米穀店・小川潤社長:
企業努力でできるところまで頑張ってという形で、こちらの価格でやらさせてもらっています。

一方、福井・坂井市のスーパーで販売されたのは、地元のブランド米「華越前(ハナエチゼン)」。

福井・坂井市では「ハナエチゼン」が5kg4514円(税込み)
福井・坂井市では「ハナエチゼン」が5kg4514円(税込み)

値段は5kg税込み4514円で、2024年と比べると約1700円、6割ほど高くなっていた。
ところが売れ行きは意外にも…。

PLANT2坂井店・須藤正人店長
PLANT2坂井店・須藤正人店長

PLANT2坂井店・須藤正人店長:
例年並みで売れております。やっぱり新米を待ってた方もいらっしゃいますので、買われる方も多いですね。

高値が心配される2025年の新米。
その理由について、宇都宮大学農学部・松平尚也助教は、「農協が農家から買い取る概算金、前払金が高くなっていることが1つ要因になっているといえます。もう1つですね、やはり2024年産の銘柄米が高止まりしておりまして、より安く売るわけにもいきませんので」と説明する。

18日に発表されたスーパーでの米の平均価格は2週ぶりの値上がりとなった
18日に発表されたスーパーでの米の平均価格は2週ぶりの値上がりとなった

18日午後に発表されたスーパーでの米の平均価格は、5kgあたり3737円で2週ぶりの値上がりとなった(ブレンド米3190円、銘柄米4239円(5kg))。
また備蓄米を含むブレンド米が値下がりする中、銘柄米の価格は高止まりしている状態。

東京・板橋区にあるスーパー「スーパーマルヤス高島平店」に行ってみると、備蓄米や銘柄米、ブレンド米はあったが、ことしの新米は見当たらなかった。その理由は…。

スーパーマルヤス・松井順子代表
スーパーマルヤス・松井順子代表

スーパーマルヤス・松井順子代表:
今聞いているお話の中では、ちょっと手が出ないなというふうには思っています。新米は出たてのころはどうしても価格が高騰しますので、タイミングを見送ってから検討したいと思います。

銘柄米は、5kgあたり4000円超えの一方、2021年産の備蓄米は5kgあたり約2000円でカゴに積まれて販売されていた。

随意契約の備蓄米は8月末が販売期限

この随意契約による備蓄米だが、農水省は販売期限を原則残り2週間の8月末までとしている。

スーパーマルヤス・松井順子代表:
8月中に販売を完了しなければいけないという決まりもありましたので、それもあって点数制限を解除しました。残り1割を切っているところです。

販売期限を迎えてしまった備蓄米はどうなるのか。

スーパーマルヤス・松井順子代表:
売り切れなかったらどうなるとかということは政府の方からは言われてないと思います。在庫を抱えていたら延長を希望したと思います。

専門家は、この販売期間が新米の価格に影響するおそれを指摘した。

宇都宮大学農学部・松平尚也助教は備蓄米の販売期間延長が新米価格にも影響すると話す
宇都宮大学農学部・松平尚也助教は備蓄米の販売期間延長が新米価格にも影響すると話す

宇都宮大学農学部・松平尚也助教:
小売りからは、実は販売期間の延長の要請が出ている状況であります。小泉農水相は、まだこの販売期間の延長についてはまだ言及していない状況でありまして、その可能性を残しているということは聞いておりまして、備蓄米の販売期間が延長されるということになりましたら、この新米の価格にも影響が出てくると言えますね。

専門家によると、新米の価格が安くなる可能性もあるというが、注目が集まる。
(「イット!」8月18日放送より)

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