海や川に出かけてレジャーを楽しむ人も多いこの時期。気を付けたいのが水の事故。
この夏も、全国各地で川や海で事故が発生している。
専門家によると、溺れそうになったとき助けを求めるために叫ぶのは「絶対NG」という。
その理由や溺れそうになった時の対応などを聞いた。
夏に多い水難事故
夏のレジャーシーズン。

全国で水の事故が相次いでいる。
沖縄では7月、シュノーケリングをしていたとみられる漫画家の男性が溺れて亡くなった。大分県内でも7月23日、宇佐市で友人と川で遊んでいた高校生が溺れて死亡する事故があった。

大分県警によると県内では2022年7月時点で、14件の水難事故が起きていて、そのうち11人が亡くなっているということだ。
警察庁によると2021年、死亡者が出るなどした水難事故の発生場所は「海」が約半数を占めていて、「川」が約3割などとなっている。
溺れそうになった時…やってはいけないことが
海や川で事故が多発する理由を専門家に聞いた。
水難学会 統括指導員 徳永龍貴さん:
海や川では水底が見えないので、なだらかな所もあるし、急に深くなっている所もあるので、そういったところでパニックになって、亡くなってしまうケースも考えられる
海や川で、溺れそうになった時に絶対にやってはいけないことがあるという。それが…
水難学会 統括指導員 徳永龍貴さん:
両手を上げたり、助けを呼んだりしてはいけません
海に落ちるなどして垂直の姿勢で水に入った場合、空気を吸った状態でも水面から出るのは顔の半分ほど。

この状態で、仮に両手を上げて、周囲に助けを求めてみると…

頭が沈んでいき、一瞬で完全に見えなくなってしまった。
叫ぶことで肺の中の空気が一気に無くなり、沈んでしまうという。
水難学会 統括指導員 徳永龍貴さん:
溺れるっていうのは、一瞬で起きてしまう。周りの人は気づかない
溺れそうなときは「背浮き」を
では、溺れそうなときの正しい姿勢は何だろうか。
水難学会では、溺れそうになった時には体を仰向けにして水面に浮く「背浮き」を推奨している。
落ち着いて、息を吸って手足を軽く広げあおむけに浮かぶと…

鼻と口が水面から出るため、呼吸ができるのだ。
適切に行えば長時間水に浮くことができ、救助される可能性が高くなる。
この時、はだしの状態よりも靴やサンダルを履いていた方が浮かびやすく、背浮きが安定するという。

また、溺れそうになっている人を助けに行った人が亡くなる事故も起きている。
溺れている人を見つけたら、ペットボトルなど浮力のあるものを投げ入れて救助しよう。

海のレジャーが増えるこの時期。事故に十分に注意して楽しむことが大切だ。
(テレビ大分)