第7波によって感染が急拡大する中、大分県内の医療機関は業務がひっ迫。「崖っぷちの状態で、診療体制の縮小も検討せざるを得ない」という声も聞かれる。
県内の医療の現場を取材した。

上限人数を超える入院患者

大分市の大分三愛メディカルセンター。
7月27日午前、発熱のある患者が搬送されてきた。

ひっ迫する医療現場
ひっ迫する医療現場
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病院によると、感染拡大の影響でほかの医療機関が対応出来ず、救急患者の受け入れを断るケースが増え、こちらの病院では救急車で搬送される患者の受け入れが通常の倍以上になる日もあるということ。検査の結果、この患者は陰性だったが、陽性で入院する患者もいる。

大分市のこちらの病院で対応出来る新型コロナの入院患者は20人までだったが、7月26日から救急搬送が相次いだため医療スタッフをやりくりして対応し、現在は上限を超える21人が入院している。

一方、発熱外来では午前8時30分の受け付け開始直後に予約枠が埋まり、断らざるを得ない状況になっていた。

医療スタッフの人手不足も深刻
医療スタッフの人手不足も深刻

PCR検査もフル稼働。担当者は、朝からひっきりなしに検査に追われているという。

検査担当者は:
陽性率は非常に高い。(これまでと)まったく違うようなパターンになって来つつある

スタッフの感染で「人手不足」も深刻に

新型コロナの患者の対応にただでさえ追われる中、今、直面している課題が「人手不足」だ。
第7波の影響で、医療スタッフの中にも感染したり濃厚接触者になるなどして出勤できなくなる人が相次いでいる。これ以上状況が悪化すれば、外来診療の縮小や停止も検討せざる得ない危機的状況だということだ。

大分三愛メディカルセンター 三島康典理事長:
今の状態を維持するための努力はしていくが、がけっぷちの状態にあるということは間違いない

抗原検査キットは品薄状態

街の薬局でも感染拡大の影響が…

O・P・A薬局 薬剤師 都甲大介さん:
もう本当に抗原キットが無くて、いま困っている

抗原検査キットが品薄に。

抗原検査キット
抗原検査キット

大分市のO・P・A薬局では、1週間ほど前から検査キットを購入する人が通常の5倍に増えたという。発注はかけているものの、入荷の目処は今のところ立っていないということだ。

O・P・A薬局 薬剤師 都甲大介さん:
できる限り迷惑のかからないように販売させてもらえたら思う

感染急拡大でひっ迫する医療現場。県では、無症状の人は医療機関への問い合わせや受診を控えるように呼びかけている。

(テレビ大分)

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