「国産クレーンゲームの幻の1号機を探して」。
誕生60周年で大捜索が行われたが、ついにその結末を迎えた。
ゲームセンター運営大手のタイトーが、60年前に国内で初めて製造したとされる「クラウン602」。
クレーンゲームの「原点」とも呼ばれるこのモデル。
国産クレーンゲーム誕生の節目の去年10月に、タイトーは保有している人がいないか、公式Xで情報提供を呼びかけていた。
最も有力な情報提供者への賞金は10万円だった。
4000件を超える応募があったものの残念ながら、締め切りだった今年1月中旬までに「クラウン602」を探し出すことはできなかった。
しかし、応募のなかから「クラウン602」に酷似したモデルを発見し、2月にタイトーは所持者を訪れ、その実物と対面した。
それは「クラウン602」から約1年後に製造された後継機「クラウン603」だった。
「クラウン602」と比べてみるとコインをいれる場所が違うだけで見た目はほぼ同じ。「原点」と見間違うほどのモデルだった。
「クラウン603」の引き取りは28日に行われる。フジテレビは、所有者から特別に話を聞くことができた。
「後継機」所持者 日向野佳祐さん:
もともとレトロゲームで遊べる飲食店を経営していて、全国からレトロゲームを収集する中で10年前に収集したものがこのクレーンゲームでした。そのときにはただ古いクレーンゲーム機、ということしか知らなかったため、今回の応募で「クラウン603」だと分かってまず驚きました。
「クラウン602」そのものではないため、賞金10万円はもらえなかったものの、後継機の所持者はこう話す。
「後継機」所持者 日向野佳祐さん:
歴史的に価値があるクレーンゲームと分かって嬉しかったです。自分がレトロゲームを集め始めたころに手に入れたモデルでもあったし、好きなメーカーに力添えができたことが嬉しいです。自分の手から離れることは少し寂しいけど、本家の方で長く保管してもらえたらと思います。
「クレーンゲームの大捜査」から約半年の時を経て辿り着いた「後継機」の存在にタイトーは・・・
株式会社タイトー広報担当 佐々木いつ子さん:
「クラウン602」の発見には至らなかったが、希望をつなぐ「クラウン603」のありかを特定することができて、驚きと感謝の気持ちでいっぱいです。いただいた情報を一つ一つ読む中で、クレーンゲームとの心温まる思い出を綴られている方もいてそれも含め私たちにとって何よりの財産となりました」と話す。
引き取り後は、「クラウン603」が実際に稼働できるかメンテナンスがおこなわれるという。
クレーンゲーム機の歴史の空白を埋める旅はこれからも続く。
(取材・執筆:中山瑞稀)
