私がお伝えしたいのは「中国 コロナ禍で夏休みレジャーに変化」です。

コロナ対策で今も行動制限のある中国で人気となっているのは、都市近郊にあるインスタ映えする観光地です。SNSに投稿された映像を見てから行き先を決めるということで、ガラス製の展望台の中では多くの人が動画を撮影していました。

ポイントはこちら。「インスタ映えで暑さも吹き飛ぶ?」注目です。

【注目ポイント・記者解説】

中国でも日本同様に、7月下旬から子供たちの学校は夏休みに入るのですが、今も厳格なゼロコロナ政策がとられていて、個人の移動に行動制限があります。そのため、いまだ海外旅行には行けず、省をまたぐ移動も簡単にはできません。

そこで今、夏休みの過ごし方として、地元にあるアウトドアスポットに出掛けることが人気となっていて、ここ最近ではSNSに投稿された映像を見てから、実際に訪問先を決める人が増えています。

北京市郊外の平谷区は桃の産地として有名な農村地域ですが、これまでは多くの観光客が訪れる場所ではありませんでした。しかし、2016年以降、UFOをイメージしたガラスの展望台ができてからは爆発的に観光客が増え始め、今では年間70万人以上が訪れています。

この展望台は海抜800メートル、崖下からは400メートルの高さの場所にあり、足下は全て透明なガラスでできていて、谷底まで丸見えになっています。また、人が乗れる部分の面積は434平方メートルと、ガラス展望台の中では世界最大級になります。

訪れた観光客に話を聞くと、「最初はとても怖いけど、中々こんな場所はないのでとても楽しい」と話し、スマホで写真や動画を撮影している姿が印象的でした。

一方で、中国の観光関連業界の動向を調べる文化観光省によりますと、2022年4月、5月、6月にあった連休中の国内旅行者数はいずれも前年水準を割り込んでいて、行動制限を柱とするゼロコロナ政策は中国の観光業界に大きな打撃を与えています。

実際、外食や娯楽、宿泊などの「接触型のサービス業」では多くの需要がなくなり、観光業界で働く人たちにとっては死活問題となっています。

こうした中で比較的、ゼロコロナ政策の影響を受けないアウトドア施設やキャンプ場などは売り上げを伸ばし、多くの観光客が訪れる夏休みの人気スポットになるなど、コロナ禍の中国において、レジャーの変化が起きていると言えます。

(FNN北京支局 河村忠徳)

河村忠徳
河村忠徳

「現場に誠実に」「仕事は楽しく」が信条。
FNN北京支局特派員。これまでに警視庁や埼玉県警、宮内庁と主に社会部担当の記者を経験。
また報道番組や情報制作局でディレクター業務も担当し、日本全国だけでなくアジア地域でも取材を行う。