トム・ホーバスヘッドコーチの元で始動した“新生AKATSUKI FIVE”バスケットボール男子日本代表は、7月12日(火)に開幕した『FIBAアジアカップ2022』を戦っている。
FIBAランキング38位の日本はグループリーグC組に入り、13日(水)に行われた初戦、同ランキング68位カザフスタン戦に100-68で勝利した。
15日(金)の2戦目は、同ランキング83位のシリアと戦い、117-56で大勝。ホーバスヘッドコーチが掲げる直近の目標「グループリーグ1位通過」まで、あと1勝とした。
3ポイントシュートの嵐!ホーバスJAPAN発足後、最多得点で勝利

シリア戦のスタートは、#2富樫勇樹選手(千葉ジェッツ)、#3エヴァンス・ルーク選手(ファイティングイーグルス名古屋)、#12渡邊雄太選手、#19西田優大選手(シーホース三河)、#91吉井裕鷹選手(アルバルク東京)の5人で、初戦と同じメンバー。
8-0のランで試合に入り、立ち上がりから日本のペースとなった。

NBAプレーヤー渡邊選手の3ポイントシュート、河村勇輝選手(横浜ビー・コルセアーズ)のスティールと、勢いそのままにシリアを引き離してゆく。

富永啓生選手(ネブラスカ大)はこのクォーターだけで得意の3ポイントシュートを3本沈めた。
セカンドユニットも出場時間を増やした第2クォーター、日本の3ポイントシュートが爆発する。
富永選手、西田選手と決める中、須田侑太郎選手(名古屋ダイヤモンドドルフィンズ)は6分24秒の出場時間で8本中7本を沈め24得点と、脅威のスタッツを叩き出す。日本は68-27と大きくリードして前半を終えた。
グループリーグ1位通過まであと1勝
後半に入っても3ポイントシュートの威力は衰えず、得点を重ねていく。

張本天傑選手(名古屋ダイヤモンドドルフィンズ)や吉井選手が力強くリングにアタックしていくプレーも。
佐藤卓磨選手(千葉ジェッツ)はディフェンスの貢献度も高く、さらには3ポイントシュートもしっかりと沈めた。

最終クォーターも吉井選手の3ポイントシュートから入っていく。
ここまで得点のなかった井上宗一郎選手(サンロッカーズ渋谷)、テーブス海選手(滋賀レイクスターズ)もそれぞれ点を重ねた。最終スコアは117-56で圧勝、日本はアジアカップグループリーグで2連勝となった。
富永&須田で16本!3ポイントシュート炸裂で勢いに乗る
この試合、日本は3ポイントシュートを52本中27本沈め、成功率が50%超えという驚異の数字を叩き出した。

ホーバスJAPAN4戦目となる富永選手は11本中7本成功と、安定の活躍を見せた。試合の立ち上がりから積極的にリングを狙い、持ち味であるシュート力を披露した。
試合後のインタビューでは「相手のディフェンスの足が止まっている部分もあったので、いつも練習している通りのシュートを打ち続けていただけかな」と話し、次戦に向けては「ディフェンスからのバスケットをしたい」と意気込みを語った。

須田選手は第2クォーターだけで8本中7本沈めたが、最終的には12本中9本を沈め、勝利に大きく貢献した。
「3ポイントシュートは日本の武器でもあるので、相手に関係なく自分達がやるべきバスケットを目指してやった結果」と試合後振り返った。
また、次戦に向けては「相手というより自分達がこれまで築き上げてきたバスケットをしっかりと発揮できれば自ずと結果はついてくる」と話した。
日本はグループリーグ首位通過をかけて17日(日)にイランと対戦する。イランはFIBAランキング23位と日本より格上の存在。
ディフェンスの強度もこの試合より数段上になるはずだが、彼らが話したように、持ち前の3ポイントシュートと、ディフェンスからのバスケットで日本らしさを体現してほしい。
起こり始めた“化学反応” トムHCの期待に応える代表メンバー
東京オリンピックで女子日本代表を銀メダル獲得に導いた、トム・ホーバスヘッドコーチが男子の指揮官となり、彼の思い描いた「JAPANの戦い方」のもと、選ばれた今回のメンバー。
富永選手は試合後にこう語った。
「このチームでやれるのは本当に貴重なことだし、(渡邊)雄太さんと一緒にプレーできる機会はなかなかないので、良い経験になっているし、毎日毎日が充実しています」
若手はレジェンド選手とプレーすることによって気合いのスイッチが入り、年上の選手は若手の躍動に刺激される。
チーム内の活性化、化学反応が試合を重ねるごとに見て取れて、このアジアカップで“新生AKATSUKI FIVE”がどこまで行くか、期待は高まっていく。
FIBAアジアカップ2022(グループリーグC組)日本vsイラン
7月17日(日)19:20~21:50 CSフジテレビNEXT(生放送)
7月17日(日)25:00~27:00 BSフジ(録画)