「安倍元首相のメッセージ動画を見て宗教団体とつながりがあると思った」
安倍元首相が街頭演説中に銃撃され、死亡した事件で逮捕された山上容疑者(41)は犯行動機について、新たにこう供述していることが分かった。

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山上徹也容疑者の犯行動機や計画性が徐々に明らかになってきた。

90m離れた駐車場に弾痕か

警察は、これまでよりも範囲を広げて現場検証を行い、安倍元首相が銃撃された現場から90mほど離れた立体駐車場の壁面に弾痕のようなものが見つかった。

警察によると、確認されたのは高さ4mから8mの壁面に、合わせて3カ所。中から弾丸のような金属片が出てきた。

山上容疑者の銃から放たれた弾だとすれば、かなりの威力であることが分かる。

「安倍元首相のメッセージ動画を見てつながりがあると思った」

山上容疑者はこれまでに「母親が宗教団体にのめり込み多額の寄付をするなどして、家庭生活がめちゃくちゃになった。団体に恨みがあった」と供述。

捜査関係者によると、さらに山上容疑者は「安倍元首相のメッセージ動画を見て団体とつながりがあると思った」と話していることが新たに分かった。

また、山上容疑者の母親が「祖父の土地や財産を勝手に売って団体につぎ込んだ」という趣旨の話をしているという。

安倍元首相は、去年、宗教団体の友好団体にビデオメッセージを寄せている。

親族が証言「母親は夫が亡くなってから宗教にのめり込んだ」

FNNは山上容疑者の親族に話を聞くことができた。

この親族は「35年ほど前、山上容疑者が小学生に上がる前くらいに父が亡くなった。(山上容疑者の)母親は夫が亡くなってから宗教にのめり込んでいたと思う」と証言した。

また、山上容疑者の兄が大病を患った関係で亡くなったことも、母親が宗教にのめり込む一因になったのではないかと話している。

警察は、山上容疑者の自宅から手製の銃数丁を押収。自宅からはほかにも銃弾を作るためとみられる金属球も見つかっていて、山上容疑者が計画的に犯行を準備したとみて調べている。

山上容疑者の量刑は…

加藤綾子キャスター:
元首相を銃殺するという社会的にも影響が本当に大きい事件だと思うのですが、山上容疑者はどれほどの罪に問われることになるんでしょうか。

住田裕子弁護士:
元首相は、これだけ世界にも存在感を示し、日本として歴代最長の内閣総理大臣で、すばらしい大きな存在だった。この方を拳銃で、自分の作った威力の高いもので殺すというのは最悪の事態ですから、よく死刑ですかって言われるんですが、実は強盗殺人でも何でもなくて単純殺人という言い方をするんです。そうすると、なかなか一人で死刑ということはあまり例がないと思うんですよね。ただし、この重い罪に対して、今回のポイントは私は動機だと思うんですね。今回、動機については、いろんな形が出てきそうですよね。

加藤綾子キャスター:
供述では宗教団体に母親がのめり込んでいたことを挙げていて、その宗教団体側も破綻していたことは知っていたということなんですけれども、事件の背景にこういったことがあったとしても、社会的責任も問われないということなんですか。

住田裕子弁護士:
いえ。絶対にそういう意味では大きな問題があって、動機に酌量の余地があって、少し緩くなるかなって軽くなるかなということで、これからそういう意味で責任能力を問うための精神鑑定が始まりますから、その辺が量刑について大きなポイントになると思います。

(「イット!」7月13日放送分より)