
7月9日の選挙戦最終日、岸田首相が応援演説のため新潟市を訪れた。商店街のアーケードには制服警察官の姿。そして、会場には多くの私服警察官の姿が見られた。


首相「自由で公正な選挙を守る」 予定通り行われた街頭演説
岸田首相が、参院選でマイク収めの地として選んだのは新潟市。
安倍元首相が銃撃され、亡くなる事件が発生しても、岸田首相は「民主主義の根幹たる自由で公正な選挙は絶対に守り抜かなければならない」と、新潟市での遊説の予定を変えなかった。
新潟県警には、事件があった当日、警察庁から「必要な警備体制を敷く」よう異例の通告が届いていた。

警察と要人の意向の違いが警護の難しさに
岸田首相は予定通り7月9日の夕方から新潟市を訪れ、応援演説を行った。
新潟県警の各警察署からも応援が入り、警備は大幅に増員。これまで選挙関連の要人警護ではあまり姿を見せない制服警察官も複数いて、物々しい雰囲気となっていた。
新潟県警によると、制服警察官の姿を見せることで実行犯に犯行を諦めさせ、事件を未然に防ぐことを目的としているという。
しかし、警護対象者によっては重苦しい雰囲気を嫌い、制服警察官がいることを敬遠する人もいる。
警護を万全にしたい警察と、親しみやすさを重んじる警護対象者では意向が異なるのが現状だ。そこに、要人警護の難しさがあるという。


政治家と有権者の交流…今後は?
選挙戦になると、応援弁士が有権者と近い距離で交流する姿をよく見る。岸田首相も7月4日に来県したときには、有権者とグータッチする姿が見られたが、最終日の演説後は交流はなかった。

岸田首相の選挙戦最後のマイク収めは無事に終了した。
新潟県警の幹部は、要人と観衆の距離をとることが警護の基本だと話す。元首相が演説中に殺害される事件が発生した以上、今後も街頭演説などをする際、有権者との交流が制限されることも予想される。
今後、選挙戦での警護態勢、応援演説の様子が変わっていくのかもしれない。
(NST新潟総合テレビ)