7月10日に投開票が行われた参議院選挙。新潟選挙区には4人が立候補し、自民党の新人・小林一大さんが初当選を果たした。
7年ぶりに政府が全国に節電を要請するなど、国のエネルギー供給体制が大きな課題となっているが、この参院選では原発の再稼働問題など、エネルギー政策に関する訴えがなかなか聞こえてこなかったのが現状だ。
エネルギー政策・再稼働問題 参院選では与野党ともに触れず
東京電力管内に6月、電力需給ひっ迫注意報が発令されるなど、ウクライナ情勢などの影響を受け、日本のエネルギー供給体制の脆弱性が露呈する中、迎えた参院選。
この記事の画像(14枚)諸派 遠藤弘樹さん:
今、立っている原発は全て、震度6以上が起こる可能性がある、そこに立地されている。そこが一番の問題。再稼働するかどうかは皆さんで考えましょう
NHK党 越智寛之さん:
東京電力下で柏崎刈羽は再稼働できないと思っている。東京電力下で再稼働できないのであれば、柏崎刈羽は東北電力に無償移管して、東北電力下での再稼働を目指すべきだと思っている
首都圏へと電力を送ってきた柏崎刈羽原発の再稼働問題を含め、国のエネルギー政策が大きな争点になると思われた。
立憲民主党 森裕子さん:
再稼働すべきではないと思う。とても新潟県民の皆様の理解を得られるとも思わないので、再稼働せずに新しいエネルギーに転換していくべき
こう話していた、立憲民主党の森ゆう子さん。
しかし、電力会社の労働組合を抱える立憲民主党最大の支援組織・連合新潟への配慮からか、街頭で柏崎刈羽原発について触れることはなかった。
立憲民主党 森裕子さん:
東京電力による数々の核セキュリティーの不祥事があって、そもそも原子力規制委員会で特別に調査されていて、動かすとか、動かせないとか、その判断をする以前の問題
一方、自民党の小林一大さんも…
自民党 小林一大さん:
今、3つの検証を行っている。その結果もまだ出ていないので、地元の理解を得る以前の問題だと思っている。3つの検証の結果が出るまでは、再稼働の議論はできない
自民党の公約には「安全が確認された原子力の最大限の活用を図る」と明記されているが、柏崎刈羽原発を含め、エネルギー政策を訴える機会はない。
自民党 小林一大さん:
党本部の主張については理解をしている。ただ、柏崎刈羽は別の問題があると思っている。3つの検証の結果が全くできていない、そういう中で柏崎刈羽の再稼働の議論はできるような状況ではない
しかし、東京電力の核物質防護をめぐる不備などを受け、行われている規制委員会による追加検査は2022年内にも終わる可能性がある。
原子力規制委員会 更田豊志 委員長:
年内に一つ、規制委員会による判断を出せるほうが好ましいと思っている
仮に原子力規制委員会が東電の対策を了承した場合、遠くない未来に再稼働の是非を判断するよう迫られることも予想される。
国のエネルギー政策全体を考えたときに、原子力、そして柏崎刈羽原発をどう位置づけていくのだろうか。
(NST新潟総合テレビ)