東京・池袋の暴走事故で、遺族をSNSで侮辱した罪で在宅起訴された愛知県の男が、6月26日に東海テレビの単独インタビューに応じ「炎上目当てだった」と動機を語った。

何にも代え難い2人を失い…遺族の苦しみ

在宅起訴された男:
今は…さすがにやりすぎたなと思っています。反省していますね

反省の言葉を口にするのは、愛知県扶桑町に住む22歳の男。ツイッターで男性を侮辱した罪で在宅起訴された。

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在宅起訴された男:
僕としては在宅起訴で良かったなって。ここで何かしら刑事事件にならなければ、僕が発信する誹謗中傷は続いていたと思うので

2019年4月19日、東京・池袋で飯塚幸三受刑者が運転する車が暴走した事故。9人が重軽傷を負い、松永真菜さん(当時31)と一人娘の莉子ちゃん(当時3)が命を奪われた。

遺族の松永拓也さん(35)は現在、「関東交通事故遺族の会」の副代表を務め、事故を無くすためSNSなどを通じて活動している。

しかし…。

【SNS上の誹謗中傷】
「金や反響目当てで闘っているようにしか見えない」
「お荷モツの子どもも居なくなったから乗り換えも楽でしょうに哄笑」

2022年3月、SNSに書き込まれた「言葉の凶器」によって深く傷付けられた。

松永拓也さん:
私のことだけではなくて、2人を侮辱するような、私の2人に対する敬愛の念までも損なうようなことを言われて、本当に最初は驚いて。やっぱりつらくて。これが誹謗中傷の現実なんだなと。「お荷物」が一番引っ掛かりました。お荷物なわけがない。莉子が生まれた時に真菜と一緒に本当に喜んだし、僕は一生かけて2人を守ろうと決めたし、本当に私にとっては何にも代え難い2人だった

「厳罰化されて当たり前」なぜ犯行に

松永さんは警察に被害届を提出。約1カ月後、扶桑町の男(22)が書類送検され、6月15日に在宅起訴された。

在宅起訴された男:
(侮辱罪は)厳罰化されて当たり前

罪の重さを認識していた男。それにもかかわらず、犯行に及んだその動機は…。

在宅起訴された男:
僕としては(SNSは)目立つためにあるんじゃないかなって。やっぱ炎上商法ですかね。炎上目当てです

炎上して有名になるために、投稿を次第にエスカレートさせたという男。松永さんに対する恨みはなかったという。

在宅起訴された男:
ただ僕自身のツイッターのアカウントが、誹謗中傷したり批判したりするためのアカウントになっていて、それを続けた結果ハードルが上がって、松永さん宛てに送ることになりました

侮辱罪の法定刑は30日未満の拘留、または1万円未満の科料。インターネットが発達した現代において、与える被害の大きさに見合わないという指摘も相次ぎ、6月には侮辱罪の厳罰化などを盛り込んだ改正法が成立。

法定刑は、1年以下の懲役・禁錮、または30万円以下の罰金に引き上げられ、7月7日に施行される。

その後、相次ぐ批判を受けて投稿を削除した男。厳罰化もあり「誹謗中傷はもうしない」と語った。

在宅起訴された男:
さすがにやりすぎたなと思っています。ここで区切りがついたことによって、今後侮辱罪の改正、厳罰化されると思うんですけど、そこでストップがかかって良かった

(東海テレビ)

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