「毎日数十平方キロメートル(㎢)もの森林が伐採されている。友人のジム・ジャームッシュ監督からもらった家の古い建材でギターを作ったら音色がとても良くて、それから建物の廃材でギターを作ろうと思ったんだ」

こう語るのはアメリカ・ニューヨークに50年前、店を開いたリック・ケリーさん。学生時代から古木を再利用してアート作品を作ってきたリックさんは、建築の廃材を使ってギターを製作している。

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ニューヨークでは建築の解体現場に業者が廃材用のゴミ箱を設置。中身は誰でも持って行けるため、ゴミ箱が設置されると町の人がリックさんに知らせてくれるのだという。

建物を支えた木材が音楽を奏でる

そんなリックさんが「ニューヨークの骨格」と呼ぶのは、何百年もの間、建物を支えてきた松の骨組み。よく乾いているため、音の響きがいいと言う。

「振動を良くするためボディーには木目幅が広くて軽いものを、ネックにはしっかりしたものを使う」とリックさんは話す。

中には世界中のアーティストに愛されたチェルシーホテルや火事で焼けてしまった教会の廃材までそろっている。

これらで作ったリックさんのギターの音色は、有名ミュージシャンたちを魅了。ギタリストのクリスさんは「音色は暖かく、ネックからボディーへと振動する他にないギターだよ」と評価した。

街の歴史を音でつなぎ続けるリックさんは「屋根を支えていただけの古い木材がこの先100年、音楽を奏でる。次の世代に受け継がれていくんだ」と語った。

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