ナイター照明が、ひと際明るく照らす神宮球場の左バッターボックス。

独特のオーラを放つ大きな構えから、桁違いのスイングスピードでボールを捉え、美しいフィニッシュ。舞い上がった打球が放物線を描くと、右手を高々と掲げ、スタンドインを見送るバッターがいる。

プロ5年目で、早くも大打者の貫禄を漂わせるヤクルトスワローズの4番・村上宗隆(むねたか)だ。

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昨シーズン、プロ野球で日本一に輝いたヤクルトスワローズの主砲を任される22歳は、侍ジャパンの一員として東京オリンピックで金メダルを獲得。

松井秀喜氏や清原和博氏を超え史上最年少で100本塁打を達成するとともに、21歳にしてホームラン王にも輝いた。そんな球界を代表するスラッガー・村上宗隆の“マイルール”について聞いてみた。

この記事で取り上げるマイルールとは、日々の「習慣」や「ルーティン」にとどまらず、「自分が大切にしている価値観」や「決め事」のことを意味する。

この春放送された番組「アスリートのマイルール」から、トップクラスで戦うアスリートたちが大切にしている秘訣を紹介していく。

3度の風呂で柔軟な体作り

「湯船に浸かって体を温めてシャワーを浴びる事は毎日やっています。朝も入りますし、練習後も入りますし、試合後も入るのでプロ野球に入って結構お風呂は入るようになりました」

そう、村上はどんなに気温が高い日でも必ず朝風呂で湯船に入るという。

「朝の目覚めもそうですけど、次の動作、ストレッチにスムーズに入りやすいように体を温めています」

朝から湯船に浸かる理由は、体を起こすスイッチを入れるためだけではなく全身を芯まで温めることで、朝風呂後に必ず行うストレッチの効果を上げるためだという。

実際、村上は身長188センチ、体重97キロと巨漢だが、体は柔らかい。

ストレッチをする村上宗隆

――体を柔らかくする意図は?

ケガ防止と自分の使える体の可動域が広ければ広いほどパワーも出やすい。そういうのをプロ1年目の自主トレで、青木(宣親)さんに連れていってもらった時に教えてもらいました。それから継続してストレッチなどをするようになりました。

自主トレを青木宣親さんと

体が柔らかい方がバットの可動域も広がり、スイングスピードの向上に繋がると言われている。去年メジャーで46本塁打を放った大谷翔平も柔軟性は抜群だ。

そして村上本人には、こうした取り組みが、結果につながっている実感があるのだという。

――朝風呂からのストレッチはHR王を獲ったり、最年少での100本塁打には繋がっていますか?

ケガをしていないので、143試合3年間今ずっと出られていますし、そういったところにつながっているのかなと思います。

大記録を打ち立てるにはケガをせず、コンスタントに試合に出続けられる体が不可欠だ。毎日朝風呂に入り、ストレッチを繰り返す。柔軟性を保つ日課こそが最年少で100本塁打を達成した村上の、活躍の源なのかも知れない。

化粧水とバット磨きで試合に入る

こうした一面だけを見るとストイックな部分だけが際立つ村上だが、22歳の素顔に迫るべく、さらにマイルールを聞いてみた。

――ほかの部分で、何かやっていることはありますか?

試合前に化粧水を(顔に)塗ったり、バットを磨いたりは必ずしますね。

――化粧水ですか。それはなぜですか?

乾燥していると、バッターボックスの中で顔が引きつったりするので、それをしっとりさせて。テレビにも映るので、しっとりさせた方が試合に入りやすい部分があって、試合がある時はずっと化粧水を塗って、バットを磨いてから試合に行くことをやっていますね。

「しっとりさせた方が試合に入りやすい」

話題はどこまで行っても、野球に対する探求心へとつながるのがバッター村上の流儀のようだが、そう言われてみると、打席に立つ村上の頬は、心なしか艶やかに見えなくもない。

それではバットを磨くのは、どんな理由からなのだろうか?

「僕は(滑り止めの)スプレーを使うので、それがバットに残っているとだんだんベタ付きで感覚も変わってきたりするので、試合用に毎回毎回磨いて、新品同様の状態で使うようにしています」

――ちゃんとメイク落としをしてって事ですか?

そうですね、そんな感じですね。ハイ(笑)。

どうやらインタビュアーの、軽い冗談にも付き合ってくれる人柄のようだ。

――ちなみにお気に入りの化粧水は?

僕はヤクルトなのでヤクルトが出している化粧水がロッカーにも置いてありますし、家でも使っていますので“ヤクルト化粧水”はオススメかなと思いますね(笑)。

――急に言わされてる感、出ていませんか?

いや、でも本当に神宮球場にもありますし、遠征に行くといつも置いているので、それを使っています。

ストイックなイメージのウラ側にある、意外な一面がマイルールから見えて来た村上。

交流戦が終了した時点で、ホームラン王争いでは2位の巨人・岡本和真に2本の差をつけ19本でトップに立っている。

先週末には逆転満塁ホームランを含めた3本の固め打ちで一気に逆転したのみならず、交流戦でのヤクルト優勝、そしてMVP初受賞と、その勢いはとどまる所を知らない。

17日(金)からヤクルトが神宮に帰ってくる。東京の夜空にホームランを量産する雄姿とともに、打席に立つ姿の方も、じっくりと眺めてみたい。

記事 198 S-PARK

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