労務行政研究所の調査によると、上場企業の夏のボーナスの平均支給額は76万5888円。
2021年の同じ時期に比べて4万6877円アップしました。
夏のボーナスの見込みはどうなっていくのでしょうか。
めざまし8が取材すると、実は業種によって大きく違うようなのです。

夏のボーナス「上がります」「例年通りだと」コロナ禍の影響も…

梅雨空とともに、今年もやってきたのが、「夏のボーナスシーズン」。
この夏はいくらぐらいもらえそうなのか、街で聞いてみると。

この記事の画像(14枚)

30代 建設業:
単純に、会社の業績が良くて、上がります。
意外と建設業ですとお客さんも増えてきているところでして、いろいろ受注も増えてきていて上がります。給料も、今年上がりましたね。月で3万5000円ぐらい。大分上がりました

50代 ITサービス:
平均よりは上だと思います。堅調な事業もあるので、何とか売り上げを維持してる

40代 医療関係:
減るっていうような話は聞いてないので、例年通りだと思いますけど。僕が働いている病院はそんなに悪くなっていることはなく

60代 建築業:
上がりはないですね。アップはないです。小さい会社なので、それなりという感じ。大手ではないので。(建築業でも)いいところと悪いところの差が大きいんじゃないですかね

「現状維持」や「増額」といった声が聞かれた一方で…

50代 広告関係:
(会社の業績は)あまり良くない。やっぱりコロナ禍の影響がまだ続いてます

業種によっては「下がる」という回答も。

2021年から平均支給額6.5%増加「製造業の方がより伸びている」

民間調査機関が上場企業を対象に調査したところ、2022年の平均支給額は76万5888円。
2021年と比べて、6.5%の増加となりました。

一般財団法人 労務行政研究所 編集部 上林智弘さん:
製造業の方がより伸びていて、海外の、例えば、日本と比べると先行して景気が回復しているような国で、機械の発注が多かったり、そういったところが影響しているのかなというふうに考えられます

新型コロナの感染状況が落ち着いたことで、少しずつ回復傾向にある日本経済。
ボーナスの使い道について聞いてみました。

物価上昇で…ボーナスの使い道は「生活費」や「貯蓄」と堅実に

30代 サービス業:
普段の消費に使って、貯蓄までは回らないかなという感じかと思います。
どこに出かけたりでもなく、次のボーナスの間に使い切っちゃうのかなという感じだと思います

40代 サービス業:
もう貯蓄ですね。この先どうなるか分からないので、対応するために準備になるんじゃないんですか

「生活費」や「貯蓄」など、堅実な回答が。

6月7日、厚生労働省が発表した、2022年年4月の毎月勤労統計調査では、現金給与総額は1.7%あがっているものの、実質賃金指数は1.2%のマイナス。

つまり、ここ最近の値上げラッシュによって、給与の上昇分以上に物価が上がっているため、実際に購入できる物やサービスは減っているというのです。いまだに厳しい、私たちのお財布事情。

夏のボーナスはどこの業種が一番増えたのでしょうか。

海外の景気回復影響 増加率1位から9位までは「製造業」

労務行政研究所の集計では、1位は「鉄鋼」です。20.2%前年同期比で増えました。
その下は「機械」「非鉄・金属」「ガラス・土石」「精密機器」「紙・パルプ」「輸送用機器」「化学」…と続いていくのですが、ポイントはすべて製造業ということです。
9位の「ゴム」までが製造業で、10位に初めて非製造業の「情報・通信」が入っています。

なぜ、1位から9位まで製造業が増加しているのか。ポイントは海外の景気です。

労務行政研究所によると「日本より先行して景気回復している海外での需要が高まり、発注が増えている影響で製造業はボーナスが増えたのではないか」という分析です。

夏のボーナス コロナ禍の影響が続く業種も…

一方で、減少しているところを見ていきます。

「電力」さらには「サービス」そして「水産・食品」このあたりが夏のボーナス減少ということになりました。

中でも、私たちの生活に身近な、飲食店などの「サービス業」は2.7%ダウンということです。理由としてはやはり新型コロナです。
労務行政研究所によると「コロナ禍で人の流れが抑制され、需要が減少した影響ではないか」ということで、このあたりは新型コロナの影響が色濃く残っています。
では、今後のボーナスも上昇傾向にあるのでしょうか。

年末のボーナスに影響!?「ウクライナ情勢」「物価上昇」

労務行政研究所によると「夏のボーナスは前年度の業績を見て、2月から3月ごろに交渉」。つまり、今回支給される夏のボーナスは2月から3月ごろにだいたい決まっているといいます。2月から3月の後に何が起きたかというと、「ウクライナ情勢」です。
そして、物価が上がっています。
「ウクライナ情勢」や「物価上昇」の影響は、今回の夏のボーナスではなく、年末のボーナスに反映される可能性があるということです。

(めざまし8 6月8日放送)