石川県金沢市で70年以上続く「金沢百万石まつり」。加賀百万石の藩祖、前田利家公の金沢城入城を再現する、初夏の金沢を彩る恒例の祭だ。
新型コロナの影響で3年ぶりに再開されたものの、その盛り上がりに冷や水が浴びせられた。いったい何があったのか?
市民から疑問の声 撮影禁止の理由は?
金沢百万石まつりのメインイベントは、金沢市の中心部を練り歩く百万石行列。毎回、主役の前田利家役とお松の方役に俳優を起用している。今回、初めて沿道の一般市民に対して主役の2人の撮影禁止が呼びかけられ、事前の周知が足りていないなど不満の声があがったのだ。

スタッフ:
撮影はご遠慮ください。写真撮影、ご遠慮お願いします。
百万石行列に響くスタッフの声。利家公とお松の方の撮影が禁止となったため、プラカードを持ったスタッフが沿道の観客に注意を呼びかけていた。
スタッフ:
(スマホを向ける沿道の観客に対し)写真はすみません、ご遠慮ください。
撮影の禁止が発表されたのは5月28日。
【金沢百万石まつりのホームページ】
前田利家公役(竹中直人氏)、お松の方役(栗山千明氏)の肖像権保護のため写真撮影・録画及びSNSへの投稿をご遠慮ください。

行列が行われる1週間前にホームページ上のみでの発表だった。行列を楽しみにしていた人のSNSには、このような声が…。
「今年、利家とお松の方が撮影禁止なのはなんでだろう?」
「メインイベントなのに残念ですね」
「何か事情があったのか知らないが、撮影禁止って正直、興ざめする」

撮影を禁止する理由の説明や事前の周知が足りなかったことで、納得できない観客も多かったようだ。金沢市の担当者に話を聞いた。
金沢市の担当者:
近年、SNSでの肖像権をめぐるトラブルが多いことから実行委員会や関係者との協議の結果、撮影を禁止した。発表が遅くなってしまったことは、今後の課題として取り組んでいきたい。

2023年の百万石行列も撮影禁止となるかどうかは、まだわからないという。
(石川テレビ)