ロシアの侵攻が始まってから、約3カ月が経ったウクライナ。日々その現状は伝えられているが、今回、現地を訪れた鹿児島出身の関雄貴さんに話を聞いた。関さんは、ボランティアでルーマニアとの国境付近のウジホロド市に滞在し、首都キーウ周辺にも支援物資を運びに行った。約2週間の滞在で見えてきたものとは。

侵攻から3カ月…ウクライナ入りした日本人男性が見た現状

銃弾で穴だらけになった車、爆撃を受けた住居…。ロシアによる軍事侵攻で攻撃を受けたウクライナの現状が、生々しく伝わってくる映像だ。

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撮影したのは関雄貴さん(31)。鹿児島市で生まれ、22歳までを過ごした。現在は日本とアメリカを拠点に広告代理店を営んでいる。

美川愛実アナウンサー:
関さんがウクライナを訪れた理由は何だったんですか?

ウクライナ入りした関雄貴さん:
元々支援活動はしていたが、実際にそこの声を聞いて、困っている人たち、末端の人たちに何か協力できることはないかという思いで来ました

関さんは自ら手配した支援物資を配りながら、約1週間、首都キーウ周辺を巡った。

支援物資を受け取るウクライナの人々
支援物資を受け取るウクライナの人々

ウクライナ入りした関雄貴さん:
車とか家は生々しくそのまま残っている状態。においとかも残っていて、なのでよりリアルを感じた

栄養失調や痩せ細った子ども…戦争を理解できないまま命をつなぐ

関さんには、特に衝撃を受けた場所があったという。

ウクライナ入りした関雄貴さん:
子供たちが生活するスペースが全然足りてなくて。馬小屋を改築して即席でつくった部屋みたいなものがあって、栄養失調だったり痩せ細って…その時ムービーとかは撮る勇気がなかった、深刻すぎて。現地の子供たちは何がどうなっているのか分かっていない

「すぐ入れるような」孤児院設立を決意 市も土地の提供決定

戦争を理解できないまま、親を亡くし狭いスペースで命をつなぐ子どもたち。その様子を目にした関さんは、ウクライナに孤児院を作ることを決めた。

ウクライナ入りした関雄貴さん:
200人ぐらい入れる施設を希望されていて、早急に受け入れができるように、既存の家を使って、すぐ入れるような施設を造ろうとしている

滞在していたウジホロド市は、関さんに土地を提供することを決めたという。今回の滞在をきっかけにウクライナでの活動をスタートすることになった関さんに、鹿児島にいる人たちに今、伝えたいことを聞いた。

ウクライナ入りした関雄貴さん:
そこに困っている人がいるんだったら僕はその人を助けたい。日本は平和すぎて、人ごとにしか思えていないと思う。みんなの関心が変わってくれればうれしい

侵攻が始まって3カ月。日々その惨状を目にしながらも、どこか人ごとになっていないか。
ウクライナには今この瞬間にも助けを求めている人たちがいる。

(鹿児島テレビ)

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