5月29日、岩手・宮古市と山田町を舞台に「ロゲイニング」というスポーツのイベントが開かれた。
制限時間内に、美しい風景や名物をいくつ探し出せるか。街の魅力を再発見することができる話題の競技を取材した。

町おこしとして注目高まる「ロゲイニング」

参加者:
次はイトグルマっていう所に行こうかなと思っていました

地図を見ながら目的地を目指して急ぐのは、「ロゲイニング」の参加者たち。スタンプラリーとマラソンを組み合わせたような、最近、人気が高まっているスポーツイベントだ。

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東京からの参加者:
初めて行く場所を地図を見ながら探し当てて、宝探しみたいで楽しいです

29日、宮古市と山田町で開かれた「三鉄ロゲイニング(さんロゲ)」には、県内を中心に24チーム58人が参加した。

午前8時15分、地図の配布開始。

主催者:
ここから1枚ずつ取ってください。地図です

ロゲイニングは、地図に示されたチェックポイントを制限時間内に多く回り、得点を競うスポーツ。地図を受け取った参加者は、スタートの前にどの順番で回るか作戦を立てていく。

三陸鉄道・石川義晃社長:
3、2、1、0、いってらっしゃい!

今回のさんロゲは、制限時間が午前8時半から午後4時までの7時間半。チェックポイントは宮古市と山田町にあわせて56カ所ある。チェックポイントは地域の名所や特産品の販売店、震災の記憶を伝える場所など様々。

店の看板や石碑など、指定されたものの写真を撮ってクリア。
また各チェックポイントにそれぞれ点数が割り振られていて、基本的に歩く距離が遠いほど高得点となる。

宮古市内から回るチームがいる一方で、さっそく三陸鉄道に乗って山田町を目指すチームもいた。競技中、利用できる交通機関は三陸鉄道のみだが、エリア内なら乗り放題で移動ができるため、どこの駅で乗り降りするかも作戦のひとつだ。

イベントとして開かれるロゲイニングは「観光ロゲ」や「街ロゲ」とも言われ、その地域の魅力を広くPRできることから、最近では地域おこしの取り組みとして注目されている。

美味しい食べ物や美しい景色…魅力がいっぱい

山田漁港の作業場で参加者を待っていたのは…

歌う漁師「友さん」・佐々木友彦さん:
シュウリ(ムール貝)です。ここではシュウリを食べてもらうだけです。ムール貝に、きょうはコップ3杯だけ水入れてるかな

参加者:
おいし~

おいしい海の幸。そして地元の人との交流。これもロゲイニングの魅力のひとつ。こうした新しい取り組みに、受け入れる側の地元の人も期待を寄せている。

歌う漁師「友さん」・佐々木友彦さん:
こういうイベントを通して、三陸の魅力を知ってもらういい機会

参加者も地元の人も楽しめるよう設定されたチェックポイントについて、主催者の中尾益巳さんは…

ディスカバー・リアス 中尾益巳代表理事:
色々なレベルの人が参加して、体を動かしながら「小さな旅」ができる。小さな旅ができて、それを楽しめるというのが広がればいいなと思う

午後4時。各チームが続々と戻ってきた。撮った写真を確認し、得点を集計する。

主催者:
栄えある優勝は、岩手県八幡平市から参加したハチマンタイガースさんです

競技を終えた参加者は…

盛岡市からの参加者:
色々な観光地を見て楽しかった。新しい魅力に気づいた

宮古市の参加者:
山田町の復興が、この11年で進んだなというのは感じた

宮城県からの参加者:
地元の人に話しかけて、店の場所を「どっちでしたっけ」と話ができたのが楽しかった

宮古市の参加者:
地域の活性にもなるので、今後も続けてほしい

美しい風景やおいしい食べ物、人との出会い。ロゲイニングは街の魅力を、広く、そして深くPRする新たなツールとして期待されている。

(岩手めんこいテレビ)

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