一杯1200円超!貴重な沖縄県産コーヒーとは?

「キリマンジャロ」「ブルーマウンテン」「ハワイ」、そして「沖縄」。これらの地名の共通点は何でしょう?

実は、いずれもコーヒーの栽培が行われているんです。「沖縄でコーヒー栽培なんて聞いたことがない」という人も多いかもしれません。沖縄の地で大きな夢に挑戦する人たちをトラウデン直美さんが取材しました。

世界の産地が半減?コーヒー2050年問題

そもそもなぜ、沖縄でコーヒー栽培に挑戦するのでしょうか?そこには、世界のコーヒー産業が直面している、ある深刻な問題がありました。

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それが「コーヒー2050年問題」です。気候変動で2050年までにコーヒーの代表的品種である「アラビカ種」の生産適地が50%近くにまで減少する、と言われているんです。

迫るコーヒー危機に備え、沖縄を新たなコーヒー産地にするプロジェクトが進められているんです。

トラウデン直美:
沖縄にやってきました。お天気はあいにくですけれども、今回は、沖縄でコーヒー栽培を産業にしようという試みがあるらしいので、そちらに伺って行きたいと思います。日本でコーヒー作れるんですね!

赤道を中心に北緯25度から南緯25度までのコーヒー栽培に適したエリアを、コーヒーベルトと呼びます。

そのすぐ北に沖縄は位置しているので、小規模ではありますが、コーヒー栽培が行われているんです。

中山コーヒーで1200円のコーヒーを

訪ねたのは、沖縄県産のコーヒーを飲めるという「中山コーヒー園」です。

こちらの農園で採れた、沖縄県産コーヒー豆。

実は沖縄でのコーヒー栽培は気象条件など課題が多く、まだ収穫量も多くはありません。
そのため、お値段も1杯1200円。その貴重な1杯をいただくと…

トラウデン直美:
うわぁ。良い香り。頂きます!ああ美味しい。ちょっとフルーティな感じで優しい感じですね。そんなに苦みが強くない!

さらにこちらは、収穫したばかりで鮮度抜群というコーヒーの実です。

トラウデン直美:
香りはしない。ん?意外と甘い。ただ、果肉の部分はそんなに多くないですね。すぐ種って感じ。あ!しかもこの種がコーヒー豆だ

甘い実の中にあるこのタネが、乾燥・焙煎などの工程を経て、私たちの知るコーヒー豆になるんです。しかし、コーヒーは生育条件が厳しく栽培が難しい上、1本の木から収穫出来るのは年間わずか40杯分ほど。本格的な産業化は簡単ではありません。

2050年問題解決のためにも…沖縄の農場を活性化

それでも、沖縄の新たな産業育成のためにコーヒー栽培に挑む農場があります。

訪ねたのは沖縄SVコーヒーファーム。この方が、コーヒー栽培の産業化に力を注ぐ宮城さんです。

トラウデン直美:
宮城さんは、こちらのコーヒー農園を経営されているんですか?

沖縄SVアグリ 宮城尚さん:
私は沖縄SVアグリ株式会社というところの代表をしております

元サッカー日本代表の高原直泰さんがオーナーを務めるクラブチーム沖縄SV。そして、サッカー以外にも農業の振興などの取り組みを行うために「沖縄SVアグリ」を立ち上げたのです。現在、ネスレや琉球大学などと連携し、コーヒー栽培の産業化を目指す「沖縄コーヒープロジェクト」に力を入れているんです。

トラウデン直美:
沖縄でコーヒー栽培するのって、難しいんですか?

沖縄SVアグリ 宮城尚さん:
このコーヒーの木自体が非常に風に弱い植物なので、まず、風対策が必要になってきます

台風や潮風からコーヒーの木を守る防風林。

さらに、強すぎる日差しを遮るために、畑の中に背の高い樹木も植えなければならないなど、コーヒー栽培にはとにかく手間がかかります。

トラウデン直美:
これだけ手間とコストのかかるコーヒーを沖縄で栽培しようとしているのは、やっぱり2050年問題とか意識されているんですか?

沖縄SVアグリ 宮城尚さん:
もちろんそれも関係しております。2050年問題の解決にも繋がると思いますし、沖縄の経済の発展にも繋がると考えています

トラウデン直美:
長い目で見て沖縄のためになるってことですよね

目指すのは、気候変動による、世界的なコーヒー危機の対策と、後継者不足や耕作放棄地に悩む沖縄農業の活性化。コーヒー栽培の産業化は、まさに一石二鳥のプロジェクトなんです。

ジャングルの中で!過酷な植樹をトラウデン直美が体験

沖縄SVアグリ 宮城尚さん:
今日植えるコーヒーの苗木です

実際、コーヒー栽培はどれだけ大変なのか、コーヒーの苗の植樹を体験。この苗は琉球大学で育てられたもの。台風の多い沖縄では、安全な栽培用ハウスの中で苗を育てるそうです。

苗を植えるのは、谷を下ったこのポイント。険しい道を進まなければなりません。

沖縄SVアグリ 宮城尚さん:
ジャングルみたい。気をつけて下さい。こっちからちょっとぬかるみがあります

トラウデン直美:
いや大変な作業だ。もう川になっちゃってますもん、ここも

険しすぎる道を下るなかで、トラウデンさんにはある疑問が浮かびました。

トラウデン直美:
これ下に植えるの大変だから上に植えれば良かったんじゃないですか?

沖縄SVアグリ 宮城尚さん:
上は結構、太陽の光が当たり過ぎちゃうところもあるので。今回行くところは自然の中で影になっているところです

沖縄に適したコーヒーの栽培技術を研究しながら、各地に点在する耕作放棄地を探して植えていくという作業も産業化に向けての活動です。

トラウデン直美:
もうすでに穴が空いているんですね

沖縄SVアグリ 宮城尚さん:
じゃあ、実際に植えていきましょう。今から横に根が広がるようにこういった範囲で掘り返して土を軟らかくします

この穴は、事前にドリルで60センチ掘り、堆肥をいれたもの。その周りの土を耕していきます。

トラウデン直美:
しっかり崩して…ちょっと結構な労働ですね

しっかりと土をほぐしたら、苗を植えます。

トラウデン直美:
土が重たいんで刺すのに力いっぱいいりますし。大変ですコレは。1本植えるだけでも…

さらに、敵は重い土だけでなく、沖縄特有の蒸し暑さも。作業は一苦労です。

トラウデン直美:
テレビでこんな汗だくになる人、なかなかいないですよ

なんてことを言いながらもコツコツ、コーヒーの苗を植え続けます。およそ30分作業しただけで、汗だくです。

トラウデン直美:
大変ですねこれ。しかもここから収穫までに3年かかるんですよね

沖縄SVアグリ 宮城尚さん:
その間に台風が来たりする可能性もあるので、結構ケアをしないといけないというところですね

トラウデン直美:
これを産業にするってなかなか骨が折れますね

沖縄SVアグリ 宮城尚さん:
そうですね。植えていくって作業ももちろんなんですけれども、やはり人材育成っていうのも一つの鍵になってくるかなと考えております

未来を担う人材が農林高校に

そんな未来を担う人材は、この超広大な敷地の中にいました。

沖縄県立北部農林高校。ここにあるのは日本で唯一という「熱帯農業科」です。

広大な敷地で、ドラゴンフルーツやマンゴー、さらにコーヒー栽培が学べるといいます。

熱帯農業科桂嵐丸くん:
日本でコーヒーが取れるって特殊じゃないですか。それがもっと広まってくれたら良いなって感じですね

この中から沖縄コーヒー栽培の未来の担い手が、誕生するかもしれません。

(めざまし8 5月25日放送)

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