愛媛・新居浜市では初めてとなるサーモンの養殖が現在進められているが、さらに新たな養殖の取り組みも行われている。
今回は、市民交流拠点のプールを利用。開発しているのは…。
リモートでできる養殖 淡水魚2500匹育てる
廃校となった小学校を利用した、新居浜市の交流拠点「ワクリエ新居浜」。この施設で研究が進んでいるのが…
この記事の画像(11枚)スマート養殖実験アドバイザー・白石悠さん:
プールを使った養殖をやっています。ホンモロコという種類の魚を養殖しています
養殖していたのは、体長12cmほどのコイ科の淡水魚「ホンモロコ」。琵琶湖の固有種で、京都などでは佃煮やかきあげなどの高級料理に使われている。
プールで育てられているのは2,500匹。一見、試験養殖のようだが、実はあるシステムを開発するための研究だ。
スマート養殖実験アドバイザー・白石悠さん:
こちらに計測してる機器があるんですけど、最終的にはICT・IOTを使った、リモートでできる養殖というのを実験していて、今、計測の段階なんですけど、それをここで実験しています
養殖の担い手不足解消へ 廃校プール活用
ICTを使った、養殖技術の開発。
取り組んでいる白石悠さんは、大学で淡水魚の繁殖を専攻し、地元の新居浜で養殖事業を立ち上げたいと思っていたところ、地元のケーブルテレビに声をかけられた。
ホンモロコを養殖しているのは、育てやすいためという。
スマート養殖実験アドバイザー・白石悠さん:
いろんな所で廃校があって、プールが利用されていないので、そこで何かできないかということで、やり始めたのがきっかけなんですけど
ケーブルテレビ「ハートネットワーク」・伊藤直人社長:
われわれが行っている事業のひとつとして、ICTに関する事業がありました。新居浜の、ものづくりの街ならではのところもあると思っています
最新技術を取り入れる管理システムは、2021年11月からスタート。目指すのは養殖の担い手不足のなか、人手コストがかからない効率的な養殖だ。
2022年秋に“スマート養殖”システム商品化へ
プールには、水質の管理のためにこんな仕組みが…
スマート養殖実験アドバイザー・白石悠さん:
水温計がプールの角に、計4つ付いています。これはペーハー(PH)を測っている機器になります。水って、中性からアルカリ性、酸性というのがあるんですけど、その水質の違いをモニタリングしています
センサーは、このほか水の汚れ具合や水中の酸素濃度、魚の様子をチェックできる水中カメラも。データはネット回線を通じて、いつでも手持ちのスマートフォンやパソコンで見ることができる。
スマート養殖実験アドバイザー・白石悠さん:
この場所にいなくても、水質管理ができるというのが一番のメリットですね。なるべく僕らの手を加えないようにするというのが、最終的な目標なので
最終目標は、水質をコントロールできる機器に連動させ、ICTで完全管理できる養殖システムの開発。
スマート養殖実験アドバイザー・白石悠さん:
ニジマスとかチョウザメとか、淡水魚でもおいしい魚はいっぱいいるので、まずはそういったところから始めて、最終的にはこの辺りではトラフグとかが有名なので、海水魚とかもいいなと思って実験しています
ケーブルテレビ「ハートネットワーク」・伊藤直人社長:
同じような廃校になった施設で、プールを活用したいというところもあるかと思いますから。これが有効に活用できるかというところを検証をして、それを全国に展開していくと
このシステムは、2022年の秋に商品化する計画。
新居浜のものづくりスピリッツが、ふるさとの活性化の道を開く。
(テレビ愛媛)