5月23日、アメリカのバイデン大統領が来日した。このタイミングで懸念されているのが、北朝鮮による挑発行為だ。

「最も尊敬していた先輩」を悼む

北朝鮮は、ICBM=大陸間弾道ミサイルの発射や核実験の準備を終えたとの見方が出ていて、バイデン大統領の日本滞在中に挑発に踏み切るおそれもある。

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その北朝鮮では今、新型コロナウイルスによるとみられる発熱者が相次いで報告されている。

22日に朝鮮人民軍元帥の告別式が執り行われ、大勢の人が集まる中、金正恩総書記が参列した。

亡くなった玄哲海(ヒョン・チョルヘ)氏は、金総書記の軍事教育を担当していたとされ、最も尊敬していた先輩だという。

金総書記は幹部らと同じように赤い布を首から下げ、棺を自ら担いだ。

埋葬する際には、一度はスコップを受け取るもすぐに戻し、スコップではなく直接手で土をすくって棺に被せていた。

軍人らが土をかける時も、ずっと傍で見届けていた金総書記。その表情は悲しげだ。

そして墓石に歩み寄ると、両手をあて目をつむり、何かを伝えるかのようなしぐさも見られた。

自ら率先して動いていた金正恩総書記。「葬儀委員長」として、亡くなった軍の重鎮に対し敬意を示す姿を見せることで、北朝鮮内の結束を深めることが狙いなのだろうか。

林外相の“北支援”発言に疑問の声

参列者は金総書記以外全員マスクを着け、道路に並ぶ市民たちもみなマスクを着けていた。

北朝鮮では、22日だけで16万7000人あまりが発熱。これまでに北朝鮮人口の1割を超える281万人以上が発熱している。

こうした中、発熱者が増え続けている北朝鮮への支援をめぐり、林外務大臣のある発言に波紋が広がっている。

林芳正外相:
(北朝鮮が)感染者の発生を認めたわけでございます。「あそこの国は国交もないし、だから放っておけばいいや」ということには、中々ならないものでして。

感染を放置すると、新たな変異ウイルスが広がるとの懸念を強調し、北朝鮮への支援を検討する必要があるという認識を示したのだ。

この北朝鮮支援の検討について、ネット上では「支援には抵抗感がある」「向こうが支援を求めてきてないのに、なんで日本が支援しなきゃいけないのか」など、疑問の声が相次いでいる。

(「イット!」5月23日放送)