木原誠二官房副長官は22日、フジテレビ系『日曜報道 THE PRIME』(日曜午前7時30分)に出演し、岸田文雄首相が意欲を示していた金融所得課税の引き上げに関し、政策課題として優先しない考えを示した。

木原氏は「今我々がやるべきことは『貯蓄から投資』のマインドをしっかりつくることだ。まずこれを優先的にやりたい。『貯蓄から投資』をぜひ一度やってみていただけませんか、ということだ」と強調した。

株式の譲渡益や配当金などにかかる金融所得課税は、税率が一律20%であることから、金融資産を多く持つ高所得者ほど税負担が少なくなる構造があり、「金持ち優遇」と指摘されてきた。去年9月の自民党総裁選などで岸田首相が課税強化に前向きな姿勢を示したが、その後、当番組で「当面さわることはない」と述べ、先送りする考えを示していた。

一方、6月から1日当たりの入国者数の上限を現在の1万人から2万人に引き上げる水際対策について、感染状況を見極めながら慎重に段階的にさらに緩和していく考えを示した。

木原氏は円安状況を活用してインバウンド観光の拡大を目指したい意向を示しつつも、「水際でもまだ(新型コロナの感染者が)発見されている状況だ。ガンと開けたけれども感染が拡大し、またガッと閉めなければいけなくなると経済にも非常にマイナスだ」と述べた。

以下、番組での主なやりとり。

松山俊行キャスター(フジテレビ政治部長・解説委員):
金融所得課税の強化について、岸田首相が以前この番組に出演したとき「当面は触ることは考えていない」と述べた。岸田政権では(税率を)引き上げることはしないと考えていいのか。

木原誠二氏(内閣官房副長官):
政策は優先順位をつけてやることが非常に大切だ。いま我々がやるべきことは『貯蓄から投資』。1960年代から「やろう」と言ってできていない。まずこのマインドをしっかりつくることを優先的にやりたい。

橋下徹氏(番組コメンテーター、弁護士、元大阪府知事):
金融所得課税については、「強化」だけが前面に出てきたので、僕は「これは違うのではないか」と言ってきた。高額所得者は総合課税にしていく。中間所得者層のNISAの拡大と高額資産家の総合課税化をワンセットでやっていくことが、税による配分と株式市場による配分の合わせ技だと思う。ここは放棄せずに進めてもらいたい。

木原氏:
橋下さんが言った方向性は税制改正の中で議論されていくことだ。マーケットにどういうメッセージを出すかは非常に大切だ。いま我々がマーケットに、投資家に、国民に出さなければいけないメッセージはまず「貯蓄から投資」。これをぜひ一度やってみていただけませんか、ということだ。そこに悪影響がないような形をぜひ考えていきたい。

梅津弥英子キャスター(フジテレビアナウンサー):
日本経済復活のもう一つのカギは海外からの観光客だ。政府は20日、水際対策の緩和策を発表した。6月1日から入国者数の上限を1万人から2万人に引き上げる。

橋下氏:
コロナ禍前は一日に約14万人の来日観光客がいた。上限2万人はあまりにも少なすぎる。今の円安の状況をうまく活用するためにも、インバウンド、外国人観光客に来てもらう、日本に投資をしてもらう、そこが重要になってくる。

木原氏:
おっしゃるとおりだ。日本の所得を流出させないという意味で、特に円安局面だからインバウンドは非常に重要だ。他方で、まだまだコロナが収まっていない事実もある。現実問題として、水際でもまだ(感染者が)発見されている状況もある。感染状況を見極めながら、段階的に緩和をさせてほしい。
今回は1万人から2万人(への緩和)だが、さらに段階的に緩和していく。大切なことは「ストップ・アンド・ゴー、ゴー・アンド・ストップ」だ。これはあまり繰り返されるのはよくない。ガンと開けたけれども感染が拡大して、またガッと閉めなければいけなくなる。経済にも非常にマイナスだ。よく状況を見ながら段階的に緩和をしていく。国民に安心感を持ってもらいながら緩和していくことは非常に大切だ。

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