私がお伝えしたいのは「早く読めてしまう本」です。

こちらは一見普通の参考書ですが、中身を見ると文章の頭が階段状にならんでいます。
ここには「大日本印刷」が挑んだ、人が文章を読む時の視線の動きを研究した成果が詰め込まれています。

・1行の文字数を20~29字にする
・意味に応じて改行する
・行の始まりを文節ごとに少しずつずらす

…この3つのルールで、読む早さが最大で2倍になるとのことです。

ポイントはこちら「レイアウトの法則でスラスラ。夢の速読体験」注目です。

大手印刷会社「大日本印刷」は、2012年からウェブサイトやスマートフォン、タブレット端末などの電子デバイスで文章を読む人が増えることを想定し、この「読書アシスト技術」の研究・開発に着手しました。

そして新型コロナウイルスによる外出自粛で、自宅での読書や学習・テレワーク等が増え、今まで以上に、文章を速く、そしてたくさん読みたい、というニーズが高まりました。
それを受けて「読書アシスト技術」の実証実験を2020年に始め、今回ついに「速読日本史」という参考書で採用されました。

今後は、長い文章を扱う教育現場やカスタマーセンター、美術館の展示作品の説明文などでの展開を視野に入れているそうです。
(フジテレビ経済部 木沢基記者)

木沢 基
木沢 基

フジテレビ報道局経済部記者。記者歴3年。
電動化を進める自動車業界や、コロナ禍を経て変革している小売り業界などを担当した後、現在は内閣府、消費者庁を担当。