松野博一官房長官は8日、北海道・白老町での会見で、知床半島沖での観光船沈没事故を受けて、国による特別監査や船舶検査などのチェック体制を再検討する考えを示し、「悲惨な事故を二度と起こさないよう取り組みを徹底する」と強調した。
松野長官は8日、北海道の鈴木直道知事と会談した際、行方不明者の捜索に加え、事故の再発防止を要望された。
会談の後に会見した松野長官は、「岸田首相から徹底的な安全対策を講じるよう指示があり、国土交通省の事故対策検討委員会の第1回会合を今週中にも行う」と述べた。そして、「(事故を起こした)事業者の安全管理体制について、国土交通省が、現在実施している特別監査の中で徹底的な調査を行っている」とする一方、「この事業者には、昨年も国が特別監査を行った上で指導を行い、事故発生前にも船舶検査が行われていた」と指摘した。
そして、「国土交通省の委員会で、安全管理規定の実効性の確保、監査や行政処分のあり方、船舶検査の実効性の向上などについて検討が行われる」と述べ、「政府として今回のような悲惨な事故を2度と起こさないよう取り組みを徹底する」と強調した。