東南アジアとヨーロッパ5カ国を歴訪中の岸田首相は5月1日、ベトナムのファム・ミン・チン首相と会談し、ロシアのウクライナ侵攻について即時停戦の重要性や民間人に対する攻撃への反対で一致した。

会談で、両首脳は大量破壊兵器による威嚇や使用、民間人への攻撃に反対する考えで一致したほか、主権や領土の一体性の尊重が重要だと確認した。
また、ベトナムがウクライナへの人道支援を表明したことについて、岸田首相は歓迎する意向を伝え、記者団に対し、「私の訪問を機会にベトナムとして初めてのウクライナへの人道支援を表明した。これは前向きな一歩として評価できると受け止めている」と語った。ベトナムは伝統的にロシアと近い関係にあり、岸田首相は「このような国からできるだけ理解と協力を得るよう努めることが重要だ」と強調した。

このほか会談で、岸田首相は南シナ海で海洋進出を進める中国を念頭に、ベトナム海上警察の能力向上に向け支援を進める考えを伝えた。
また、自衛隊がベトナム軍に対し、サイバーセキュリティーに関する能力向上支援も実施する。

このほか両首脳は日本で、外国人技能実習生がトラブルに巻き込まれるケースが相次いでいることから、悪質なブローカーを介さずに技能実習生が直接やり取りをできる仕組みを作ることを確認した。