日銀の金融政策決定会合がきょう27日・28日の2日間で開かれる。
今月20日に1ドル=129円台をつけるなど20年ぶりの水準まで円安ドル高が進む中、会合後の会見での黒田総裁の発言に注目が集まる。
急激な円安について、鈴木財務大臣からは牽制する発言が繰り返される一方、日銀の黒田総裁は、「マイナス」だとしながらも「日本経済全体としては円安はプラス」という基本スタンスを崩していない。
円安の進行に歯止めをかけるには、日銀が続けてきた大規模な金融緩和からの方向転換が効果的だ。
しかし、日本は新型コロナからの景気回復で欧米に遅れをとっている上に、ロシアによるウクライナ侵攻を受けて原油など資源や穀物の価格が一段と上昇。
黒田総裁は、国際的な資源価格を反映して今後国内の消費者物価は一時的に上昇するものの、日銀が目標とする「安定的・持続的な2%の物価上昇」、つまり賃金と物価が緩やかに上昇していく状態にはまだ距離があるとしていて、28日の会見でも大規模緩和の必要性を強調するとの見方が優勢だ。
市場関係者からは、「日銀の金融政策決定会合や黒田総裁の会見の内容次第では、投機的な円売りが強まり、1ドル=130円をうかがう展開もありえる」との声も聞かれる。
(兜・日銀キャップ 茅野朝子)