西部の都市リビウなど、ウクライナ各地へのロシア軍の攻撃が激しさを増している。ロシア政府は、軍事支援を続けるアメリカに対し、予測できない結果をもたらすと警告している。

リビウにミサイル4発 6人が死亡

日本時間4月18日午後3時すぎ、ウクライナ西部のリビウの空に黒い煙が立ち上った。

山岸直人記者:
近くで何か爆発音がしました。その爆発の方を見ると、広く黒煙が上がっています。丘の向こうの方から、黒煙が上がってるのが確認できます。

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リビウでは18日朝、空襲警報が鳴り響き、その1時間後に爆発が発生。地元当局によると、軍事施設3カ所とタイヤの関連施設がミサイル攻撃を受けたという。

地元当局が公開した写真を見ると、線路脇で建物が炎上している。リビウ市長はこの攻撃で6人が死亡、子供を含む11人が負傷したと明らかにした。

ハルキウで救助作業中にも…

また、首都キーウ近郊でもロシア軍による攻撃があった。キーウへの攻撃は4日連続となる。

ウクライナ各地に攻撃を広げるロシア軍。第2の都市・東部のハルキウでは、救助作業の最中に街に爆発音が響いた。

「立つな、伏せろ!」と叫ぶ男性。

17日の攻撃で5人が死亡、20人がケガをした。この4日間で18人が亡くなったという。

マリウポリ封鎖か「兵士全滅なら交渉打ち切り」

一方、陥落間近と言われる南部のマリウポリでは、ロシア軍がさらに攻勢を強めている。

マリウポリの市長顧問によると、ロシア軍は街を封鎖し移動を禁止すると発表。市民に対し通行証を発行し始め、多くの市民が詰めかけているという。

ロシア軍は、マリウポリの製鉄所に立てこもるウクライナ側に日本時間17日午後7時までに降伏を迫り、抵抗を続ければ全滅させると警告。

これに対し、ウクライナの首相は「最後まで戦う」と徹底抗戦すると表明した。さらにゼレンスキー大統領も「マリウポリで兵士を全滅させれば、停戦交渉に終止符を打つことになる」と話し、停戦交渉打ち切りに触れ、ロシア側をけん制した。

約8億ドルの追加支援にロシア抗議

攻撃が激しさを増す中、ロシア政府に新たな動きがあった。ウクライナに兵器を送り続けるアメリカに対して外交文書を送り、「軍事支援を続ければ予測できない結果をもたらす」と正式に抗議したのだ。

ウクライナへの軍事支援を強化しているアメリカ。バイデン大統領は13日にも約8億ドル、日本円で1000億円相当の追加の軍事支援を表明した。これまでより強力な軍用ヘリなどの大型兵器を提供するとしていて、NATOも軍事支援の強化を打ち出していた。

ロシアが言う「予測できない結果」とは何なのか。

ワシントンポスト紙は、ロシアを分析する専門家の見立てとして、NATO加盟国の領土にある武器の拠点を攻撃する可能性が高くなると伝えた。

(「イット!」4月18日放送)