全国で猛威を振るう新型コロナウイルスのオミクロン株。イギリスでは「オミクロンXE」と呼ばれる、新たな変異株が出現した。

感染力がステルスオミクロン株を上回る可能性があり、専門家は強い警戒感を示している。

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日本政府も警戒感を示している。

松野官房長官:
オミクロン株のXE系統については、WHO(世界保健機関)のレポートにおいて、「BA.2」(ステルスオミクロン)に比べて、市中での感染増殖率が10%ほど高いとの報告がある旨、記載されているものと承知をしています

感染力強い「ステルスオミクロン」を上回る感染力か

イギリスの健康安全保障局によると、XEは1月中旬にイギリスで初めて検出され、その後600件以上の症例が確認された。

「オミクロンXE」は、従来のオミクロン株「BA.1」とより感染力が強いステルスオミクロン株「BA.2」の要素を含む混合株とされている。

警戒されるのがその感染力だ。XEは感染力が強い「BA.2」を約10%上回る可能性があると指摘されている。

日本政府は、現時点では国内でXEは確認されていないとしているが、東京都の専門家はXEについて議論する考えを示した。

ワクチン接種は進まず…夜間接種を始めた自治体も

東京都では4月7日、新たに8753人の感染を確認。先週木曜日を527人上回り、4日ぶりに前の週の同じ曜日より増えた。

感染拡大防止の鍵となるワクチンの3回目接種は若い人たちの間で進んでいない。5日までの接種率は都民全体で49%だが、20代は25.6%、30代も30.2%にとどまっている。

接種加速のため、新たな対策を打ち出す自治体もある。神奈川県相模原市は、7日から夜間接種を始めた。相模原市では、接種対象者の半数以上が3回目接種を終えているが、陽性率の高い20代の接種率は伸び悩んでいる。

このスーパーに設けられた会場では、これまで午後5時までだった接種時間を午後7時半まで対応することとした。

相模原市 ワクチン接種推進課 中村昌宏主査:
当初の時間通りだと、なかなか接種に来られない現状がありましたので、午後7時半まで延長することによって、接種のタイミングを増やすという形をとっております

岸田首相は7日、記者団に対し、新型コロナワクチンの若者への3回目接種を促進するために、国が費用支援を行う考えを表明した。

岸田首相は「ワクチンの種類にかかわらず3回目を早めに接種してほしい」と述べた上で、若い世代の接種を進めるために、自治体と大学などが連携し、予約に空きのある自治体の大規模接種会場などを活用して、学生への集団接種を促す考えを示した。その上で、生じた費用については国が支援することを表明した。

岸田首相はさらに「可能な限り日常生活を取り戻すために、若い世代の人も積極的にワクチン接種を進めて、ワクチン接種証明などによる取り組みに参加してほしい」と呼びかけた。

(「イット!」4月7日放送より)