ウクライナのマリウポリの壊滅的被害が伝えられる中、めざまし8は地元テレビ局の社長と人権団体を独自取材。マリウポリの現地の実態やロシア側の“拉致”の手法が見えてきました。

「壁がなくなったマンションばかり…」途絶えた“ライフライン”

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ロシア軍の攻撃が続くウクライナの南東部のマリウポリ。砲撃によって破壊された建物。
緑豊かだった街並みは無残な姿と化していました。

こうしたマリウポリの実態を取材しているのが地元テレビ局の社長、ニコライさん。

マリウポリTV ニコライ社長:
道はこんな状態になっています。こんなふうに走るしかないんです。壁がなくなってしまったマンションばかりです。

ニコライさんは一度、マリウポリを脱出しましたが、被害が拡大する状況を伝えようと取材を続けSNSなどで発信しています。

マリウポリTV ニコライ社長:
マリウポリ市民たちは水も電気も使えていない状態で、昔の時代に戻ったような状況になってしまった。

ニコライさんのテレビ局も攻撃を受けスタッフ89人のうち、42人の消息がわかっていないといいます。現在もマリウポリでは10万人以上の市民が取り残されているとみられています。4月1日、国際赤十字はマリウポリ市民を退避させるため車両やスタッフを派遣しましたが安全が確保できず引き返したと発表。その後、改めて試みるとしていましたが、新たな情報は入っていません。

そんな中、ウクライナの人権団体が発表したのが、“ロシア軍によるウクライナ有力者たちの拉致”という情報でした。「ロシア軍が市民を拉致していて彼らを自宅や路上から連れ去り密かに監禁している。」ロシア軍が、ウクライナ全土で次々と拉致を行っていると報告しました。その実態について、めざまし8が人権団体「ZMINA」の担当者に話を聞くと。

“暴力と洗脳” 横暴な手法…ロシア側の「拉致」

人権団体「ZMINA」タティアナ・ピチョンチックさん:
反ロシア活動をさせないようにしています。ウクライナ人を親ロシア派にしようとしているんです。私たちの団体だけで80人の有力者が拉致されたことを確認しています。

「ZMINA(ズミーナ)」が公表した、拉致されたとみられる人の中には、議会の議員や企業の取締役まで。活動家の男性が拉致された状況について、「侵攻に反対する集会に参加した後にロシア側に拉致された。」と記されていました。

人権団体「ZMINA」タティアナ・ピチョンチックさん:
占領された刑務所や建物の地下に連れて行かれ最初に暴力が振るわれ、洗脳される。

ロシア側が「救出」をアピールする軍事侵攻の裏で行われているという「拉致」。そうした市民らの安否も依然明らかではありません。

(「めざまし8」4月4日放送)

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