菅義偉前首相は3日、フジテレビ系『日曜報道 THE PRIME』(日曜午前7時30分)に出演し、4月1日から始まった不妊治療の公的保険適用の対象について、治療開始時に女性の年齢が43歳以上でも「機会を与えていくことが大事だ」と述べ、何らかの支援を検討していく考えを示した。

1日から始まった不妊治療への保険適用は菅政権の看板政策だった。保険適用の対象年齢や回数には上限があり、対象となるのは、治療開始時の女性の年齢が40歳未満の場合は通算6回まで、40歳以上43歳未満の場合は3回までとなっている。

菅氏は治療開始時の年齢が43歳以上の女性にもチャンスを与えていく政策を「考えていきたい」と話した。

一方、ロシアによるウクライナ侵略をめぐり、各国で自国の安全保障体制の見直しの動きが活発化していることに関し、菅氏は「日米同盟が常に機能するようにしておくことが大事だ。日本も自分の国は自分で守るということでなければ、日米同盟は機能しない」と強調した。

非核保有国が同盟国の核兵器を共同で運用する「核シェアリング(核共有)」について、菅氏は「議論を避けるべきではない」と述べた。日本有事などの際に、米国が敵国に核兵器を使用するかどうかの判断に日本の意思を反映する明確な規定がないことについては「日米同盟の中でどうすることが大事かという議論は進めるべきだ」と踏み込んだ。

以下、番組での主なやりとり。

松山俊行キャスター(フジテレビ政治部長・解説委員):
ウクライナ情勢を受けて、世界的に各国から安全保障政策の見直し論が出ている。

橋下徹氏(番組コメンテーター、弁護士):
平和安全法制の成立は本当に有り難かった。日米同盟の下でわれわれは米国を頼るしかないが、当初は集団的自衛権が全く否定されていた。安倍政権が一歩進めてくれた。でも、これだけで本当に十分なのか。ウクライナの状況を見ると、本当に守ってもらうなら、こちらもしっかり守らなければいけない。平和安全法制からさらにもう一段お互いに守り合う関係に行かなければいけない。ウクライナの今の軍事力を見て、必要最小限の軍事力で本当に一般国民を守れるのか。追い払うだけでなく、反撃する能力をしっかりもっておかないと一般国民がどんどん犠牲になってしまう。やられ放題になる。憲法9条の解釈は内閣法制局がすべてやってきた。内閣法制局の意見は一意見であり、こと安全保障に関しては本来国を守るためにはどういう防衛力が必要なのかという大きな話を先に政治家が示さないとならない。

菅義偉前首相:
日米同盟は常に機能するようにしておくことが大事だ。日本の国は自分たちで守るということでなければ、日米同盟は機能しない。平和安全法制の審議での内閣法制局の役割だが、私たちはかなり踏み込んだ。判断するのは政府・内閣だ。ただ、完全に無視するのではなく、尊重しながら進めてきた。尊重しながらも、決定するのは内閣だという強い決意のもとで法案を成立させることができた。

松山キャスター:
日本の防衛力がどうあるべきかについて、先日番組に出演した安倍元首相は「核シェアリング」についても「議論はすべきではないか」との見解を示した。

菅前首相:
時代やさまざまな情勢、状況に合わせて議論は避けるべきではない。

松山キャスター:
米国の拡大抑止の下での核使用について与党内で「日本の意思を反映させるべきではないか」との意見がある。

菅前首相:
日米同盟の下でどうすることが大事かという議論は進めるべきだ。

梅津弥英子キャスター(フジテレビアナウンサー):
不妊治療の公的保険適用がスタートした。適用対象は、治療開始時の女性の年齢が43歳未満。40歳未満の場合は通算6回まで、40歳から43歳未満は3回まで適用が認められる。

菅前首相:
大事なのは少子化対策だ。戦後のベビーブームの時、団塊の世代の時は年に250万人から260万人ほど生まれていた。直近では84万人で、3分の1だ。体外受精など不妊治療で生まれた人は約6万人いる。14人に1人は不妊治療等で生まれている。不妊治療を受けたい人はたくさんいる。ようやく4月1日からスタートした。年齢制限については大変な議論があったが、専門家の意見に基づいて決めた。政治判断ではない。

橋下氏:
保険適用は大賛成だ。ただ、年齢制限はどうしても引っ掛かる。専門家は科学的根拠といって子どもが生まれる率で判断している。でも、43歳以上の女性でも体外受精で子どもが生まれる可能性があるのであれば(対応してほしい)。菅さんは機会の平等は与える、チャンスは皆に与えるというのが政治信条の一番の柱だった。仮に財源などの問題により43歳でラインを引いたとしても、可能性のある人のチャンスを閉ざすのは、菅さんの政治信条とは違うと思う。助成金でもいい、所得制限をかけてもいい。高額所得者は自費でもいい。43歳以上の方も不妊治療をやりたいと思う人には何か助成をするような制度をぜひつくってもらいたい。

菅前首相:
所得制限は今まであったが撤廃した。年齢制限について橋下さんから意見をもらった。私もかなり気になって当然、専門家と議論した。そのうえでの(43歳未満の)年齢制限だった。ただ、これから(橋下氏が指摘した)所得制限なども考える中で機会を与えていくことが大事だと思う。

橋下氏:
43歳以上の女性にもチャンスを与えていくような政策を考えていただけるということか。

菅前首相:
考えていきたい。

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