木原誠二官房副長官は27日、フジテレビ系「日曜報道 THE PRIME」(日曜午前7時30分)に出演し、米国の核兵器を非核保有国の同盟国が共同運用する核シェアリング(核共有)について、「日米同盟を強化する中で、さまざまなオプションを考えていく」と述べ、議論を否定しない考えを示した。

番組コメンテーターの橋下徹氏(弁護士・元大阪府知事)が、日本有事の際の米国による核兵器の使用・不使用の判断に関し、日本が同盟国として関与する規定がなく、責任を共有できないのではないかと指摘したことに応えた。

木原氏は、NATO(北大西洋条約機構)加盟のドイツやベルギーなどが採用している自国内で米国の核を共同運用する方式については「難しい」とし、「非核三原則は堅持しなければならない」と強調した。

番組では、ウクライナのゼレンスキー大統領が国会でのオンライン演説の中で、ロシアへの経済制裁の強化を日本に求めたことについても議論。日本企業が参画するロシア極東サハリンでの石油・天然ガス開発事業について、木原氏は「日本が権益を持っており、しっかり確保しながら対応していく」と述べ、事業からの撤退に否定的な考えを示した。

これに関し、橋下氏は、かつて米国とイランの対立のあおりを受け、日本企業がイラン南西部の「アザデガン油田」の権益放棄を余儀なくされ、そのあとを中国国有企業が譲り受けた経緯に言及した。そのうえで、ロシアに対し効果的な制裁を科すためには、西側は中国を取り込む必要があると重ねて強調した。

木原氏は「非常に重要な論点だ。(中国に)しっかり働きかけていく」と応じた。

以下、番組での主なやりとり。

松山俊行キャスター(フジテレビ政治部長・解説委員):
ゼレンスキー大統領が(オンライン国会演説で)日本に対しロシアとの輸出入禁止を要請したが、日本は国益を考えると(石油・天然ガス開発事業の)サハリン1、サハリン2から撤退できないのではないか。

木原誠二氏(内閣官房副長官):
エネルギーは国益に直結する。慎重にやりたい。サハリン1・2は日本が権益を持っている。しっかり確保しながら対応していく。

橋下徹氏(弁護士・元大阪府知事・元大阪市長):
今(ロシアに科している)経済制裁は効いてくると思うが、完全な経済制裁になっていないのは事実。プーチン政権が延命すれば、延命するほどウクライナ一般市民の犠牲は拡大する。西側諸国はどこかで腹をくくらなければならない。ウクライナの一般市民を犠牲に戦わせてロシアをつぶしにいかせ、西側諸国は自国の経済を守りながらできる範囲でやるというのは欺瞞(ぎまん)だ。

木原副長官:
国民の支持を得てG7(主要7カ国)含めてかなり強力な経済制裁になっている。まずはこの制裁をしっかりやることが非常に重要で、停戦につながるよう努力を継続する以外に道はなかなかない。

橋下氏:
仮に西側諸国がエネルギーの取引をやめれば、中国をはじめ向こう側の陣営が全部その権益を取っていってしまう。イランのアザデガン油田(の事例もある)。

松山キャスター:
アザデガン油田はそうだった。

橋下氏:
(イランに制裁を科す米国の圧力により)日本が権益を放棄すると中国が取っていってしまった。中国を取り込まない限りエネルギー取引を全部止めても(制裁の)効果は薄い。

木原副長官:
まったくその通りだ。中国がどういう動きをするのかは非常に重要。25日のNATO首脳会合でも中国が大きな議論になった。名指しはしていないが、G7(主要7カ国)首脳会合でも制裁措置を穴埋めする行動はどこの国にもさせないことを打ち出した。ここは非常に重要な論点だ。(中国に)しっかり働きかけていきたい。

松山キャスター:
今回のウクライナ戦争でもう1つ焦点がある。核保有国が非核保有国に対し、核兵器を威嚇に使うという初めてのケースではないか。ロシアのペスコフ大統領報道官は、国の存亡危機の場合は核兵器を使用すると言及した。(非核保有国の)日本の備えをどう見るか。

橋下氏:
岸田首相は被爆地出身の政治家として核については絶対に認めない、非核三原則も見直さないと言った。先日、安倍晋三元首相が番組に来て「核共有の議論が必要だ」と述べた。安倍氏はNATO型の核共有(のことを言ったの)ではない。核の使用の判断に関してNATO加盟国は一定の関与ができるが、日本は米国の核の傘の中にあっても全く関与ができない。要は、(核使用・不使用の判断の)責任も共有しなければいけないのではないか。核の使い方、運用の仕方について日本の意思を一定反映するプロセスが必要なのではないか。そういう意味での核の責任共有、核共有ということだ。これは議論が必要ではないか。米国に全部丸投げというわけにはいかない。

木原副長官:
核シェアの話は、その中身に応じてさまざまなものがある。橋下さんが「NATO型の核シェアではない」と言ったことは非常に安心した。われわれは非核三原則を堅持しなければいけないから、それ(NATO型核共有)は難しい。(核使用の)責任のシェアは、日米同盟の中で深化させていく。今回の(ウクライナ戦争の)最大の教訓は、われわれ自身の自衛力を高めていく、同時に日米同盟を強化していく、この2つをしっかりやることだ。日米同盟を強化する中でさまざまなオプションをしっかり考えていく。

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