社民党は19日、東京都内で定期党大会を開会した。福島瑞穂党首(66)が改選を迎える夏の参院選は、議席増を目指すが、有効投票総数の2%を獲得しなければ、政党としての要件を失うため、「正念場の選挙」を迎えることになる。
福島党首は、党大会のあいさつでロシアによるウクライナ侵攻を批判した上で「武力で平和は作れない。核兵器も原発も廃絶しなければならない」と指摘。「新自由主義から社会民主主義への転換」を目指すとし、「憲法改悪して『戦争のできる国』にしないために参院選で護憲の社民党の議席を増やしていこう」と訴えた。
この記事の画像(3枚)ただ、党の前途は多難だ。夏の参院選で有効投票総数の2%を獲得しなければ、政党としての要件を失うため、「社民党にとって本当に正念場の選挙」(福島氏)となる。政党要件は、①国会議員5人以上、②直近の衆院選か参院選で有効投票総数の2%以上の得票、いずれかを満たす必要がある。
2021年の衆院選で、社民党の投票率は1.77%にとどまり、党所属の国会議員は、福島氏(参院全国比例区)と2021年の衆院選で当選した新人の新垣邦男議員(沖縄2区)の2人だけ。参院選では120万票以上の獲得が必要とみられている。
福島氏は、「社民党は何としても政党要件である得票率2%をクリアしなければならない」として「みんなの力で240万票以上を獲得し、2名以上の当選を果たそう」と目標を掲げた。そのうえで「参院選で、憲法改悪を阻止し、社会民主主義への転換、脱原発、差別撤廃のうねりを作っていく」と強調した。