3月23日からフランス・モンペリエで開催される世界フィギュアスケート選手権。北京オリンピックの激闘からわずか1カ月、4年に一度の物語のすべてがこの大会で完結する。

そんな今季最終決戦となる大会に大きな使命を背負って挑むのが、アイスダンスの村元哉中・髙橋大輔組だ。

2021年の全日本選手権
この記事の画像(9枚)

男子シングル日本初の五輪メダルを獲得したレジェンド、髙橋がアイスダンサーとしてこの舞台に戻ってきた。

2020年に髙橋がアイスダンスへ転向し、村元とカップルを組んで始まったゼロからの練習。鍛え上げられた髙橋の肉体は覚悟の現れともいえる。

世界デビューを果たす2人が、世界選手権で手に入れたいもの。それは日本アイスダンス界の未来を変える、来期出場枠「2枠」の獲得だった。

今シーズン歴史を塗り替えてきた村元・髙橋組

2021年の全日本選手権

たった1枠のオリンピック出場をかけて挑んだ、2021年12月の全日本選手権。

小松原美里・尊組に僅差で敗れ、2位。リズムダンスでの転倒が明暗を分ける結果となり、2人は夢舞台への切符を逃した。

しかしその直後から、2人は新たな目標を見据えていた。

全日本選手権を終えた2人

村元は「次、四大陸でメダルを獲る」と気持ちを切り替え、髙橋も「世界選手権で(10位以内に入って来シーズンの出場権)2枠を持って帰れたら、ヨシって思っている」と頷く。「それが最大の目標だね」と村元は気を引き締めていた。

今シーズンの目標は「超進化」。

その言葉通り、結成2年目にしてNHK杯、ワルシャワ杯と2週連続で日本歴代最高点を更新し、驚異の成長を見せた。

1月の四大陸選手権では、アジア勢過去最高成績となる銀メダルを獲得し、歴史を塗り替えた。

四大陸選手権では銀メダルを獲得

それでも2人は、満足していなかった。

四大陸選手権直後のインタビューでは、「表彰台に乗れた喜びもあるんですけど、それ以上に自分の演技がうまくできなかった悔しさの方がでかい」(髙橋)、「2人とも上のレベルを狙っていきたいんだと感じています」(村元)と、向上心を燃やす。

日本アイスダンス界を変える「2枠」獲得へ

シーズン最後にして最大の大舞台となる世界選手権。

10位以内に入ると来シーズンの日本の出場枠が2枠になる。

村元哉中

過去の最高成績は、2018年に出場した村元哉中/クリス・リード組の11位。そこで2人は「10位以内」と目標を掲げる。

達成すれば、これまでずっと1枠だった日本の世界選手権出場枠を2枠に増やすことができる。

村元も「2枠を持ってくるのは、日本アイスダンス界にとって大きなことだと思うので、本当に狙いたい」と意気込む。

アイスダンスでは、過去のオリンピック、世界選手権のメダルは、圧倒的な実力を誇る北米・ヨーロッパ勢が獲得してきた。

練習に励む子どもたち

一方、日本ではシングル競技に比べ、注目度も低く、競技人口も少ないのが現状だった。

しかし、村元は「日本のアイスダンス界が“超進化”しているのを実感していて、それは大ちゃんがダンスをしてくれたおかげでもある」と、髙橋が転向したことで、アイスダンスの注目度がアップしたと語る。

髙橋は9年ぶりの世界選手権に「ワクワク」

日本アイスダンス界が迎えた新時代。

ジュニアからもカップルが増えたことを実感する2人。「これで終わらず、もっともっと日本のダンス界を盛り上げたい」と村元は未来を見据える。

村元は2018年以来、髙橋はシングルで出場した2013年以来の世界選手権だ。バンクーバーオリンピックで銅メダルを獲得した2010年の世界選手権で髙橋は優勝し、表彰台にも上っている。

「9年ぶりの世界選手権をアイスダンスで出るので、ちょっとワクワクしている」と話す髙橋。そして、「世界選手権でも記録更新を成し遂げることができたら、最高な世界選手権になると思うので本当に頑張りたい」と気合を入れた。

3月16日、36歳の誕生日を迎えた髙橋。世界デビューの2人が歴史を変える戦いに挑む。

世界フィギュアスケート選手権
フジテレビ系列で3月23日(水)から4夜連続生中継(一部地域を除く)
https://www.fujitv.co.jp/sports/skate/world/index.html