ウクライナへ侵攻を続けるロシアの国内で情報統制が進んでいる。その中で体制崩壊に向けた「蟻の一穴」となるのだろうか。それとも…

生放送で“反戦”女性釈放「お前は敵だ!」

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「お前は敵だ!」とモスクワの裁判所でヤジを飛ばされた女性。14日に国営テレビ「第1チャンネル」の生放送中に乱入し、アナウンサーの後ろで「この戦争をやめてください 戦争反対」などと書かれた反戦メッセージを掲げたテレビスタッフだ。

その様子は世界に拡散された。

ロシア国営テレビで掲げたメッセージの内容は「戦争をやめて。プロパガンダ(政治的な宣伝工作)を信じないで。あなたはだまされている」というもの。

「尋問が14時間続いた」

その後、拘束された国営テレビスタッフの女性は、裁判所から出ると報道陣に向かってこう訴えた。

「私自身による反戦の決意です。ロシアが侵略を始めたのは気に入りません。非常に残酷でした。尋問が14時間以上続きました。家族や親族との連絡も許されませんでした。今日はただ休みたいです」

女性は、事前に収録していた動画で抗議の声をあげるよう呼びかけていた。

「皆さんデモに出てください。何も怖いことはない。プーチン大統領たちは私たちを刑務所に入れることはできない」

モスクワの裁判所は、女性に対し3万ルーブル、日本円で3万3000円余りの罰金を科した。

最高15年禁錮刑の恐れも

事前に公開した動画が、無許可のデモとみなされたと見られる。

ただ、生放送中の行動については、更なる厳罰の恐れも。軍の信頼を傷つける行為を禁じた新たな法律を含め、最高15年の禁錮刑など刑事罰が科される恐れが出ている。

フランス保護する考え表明

更なる罰を科される可能性のある女性。フランスのマクロン大統領は3月15日、この女性に危険が及んだ場合、保護する考えを表明した。ロシアにあるフランス大使館での保護やフランスに亡命すれば受け入れるとしている。

プーチン大統領と次に会談する際に、この解決策を提案する考えを示した。

イット!スタジオでは…弁護士「不自然」

フジテレビ「イット!」のスタジオでは、元東京地検検事の住田裕子弁護士に話を聞いた。

加藤綾子キャスター:
いったん別の罪で軽い罰金にして「これで済んだ」と思わせて、今後さらに重い罰を科すのではないかと思ってしまい、それが怖いですよね

住田裕子弁護士:
2つの事実、最初のSNSでデモを流し、2つ目のテレビで反戦メッセージ出した。通常はこの2つを一括して処分するのが当たり前で、不自然ですよね。

体制崩壊へ「蟻の一穴」となるか

住田裕子弁護士:
そしてテレビですけど、キャスターも周りの方も場合によってはわかっていたはずなんですよ。黙認していた。責任追及する問題が広がっていくことから、もしかして罰金で済ませたかなって一つの可能性もあるんですよね。

どちらにしても、こういうことが出るということは、やはり体制崩壊に向けた蟻の一穴になってほしいなっていう淡い期待を抱いてしまいますね

加藤綾子キャスター:
そうですね、そこにどうにかつながってほしいですね


(「イット!」3月16日放送より)