広島県内のSDGsに関する取り組みを紹介。
今回は県内の中学生が考案した換気装置を紹介。コロナ禍に対応し、地球にも優しいそのアイデアに込められた思いとは?

生まれつきの心臓病で人一倍コロナに注意

中村颯人くん、広島市安佐北区の日浦中学校の3年生。学校では総合文化部・技術班に所属している。この日も、仲間と一緒にロボコンの活動を行っていた。

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日浦中学校3年生・中村颯人くん:
ぼくは持病があるので、運動部とかスポーツ系の部活に入ることができないんです。絵が下手なので、モノづくりをやる技術部に入ろうと思いました

中村くんの生まれつきの持病、それは心臓病。大きな手術を経て、中村くんの心臓には人工の弁が取り付けられている。これまでも入院退院を繰り返し、血液をサラサラにする薬は一生飲み続けなければいけない。

中村くんにとって、いま一番気をつけなければいけないのは新型コロナウイルス。

日浦中学校3年生・中村颯人くん:
病気とか疾患を持っている人はコロナにかかって重症化しやすいので、マスクもちゃんとしたのをつけて、手洗い・うがいも人一倍に徹底しないといけないので、最初は慣れなかった

「窓を開けると寒い」クラスの悩みから発明に

そんな中村くんを中心に技術班の3年生で作り上げたのが、「密を感じ取って換気を行う装置」。センサーを使って空気中の二酸化炭素の濃度を数値化し、100になれば1つ、200になれば2つ、300になれば3つのファンが作動する。

新型コロナウイルスの感染対策にもなるほか、あたたかい空気が無駄に流れ出ることを抑えることができる地球にやさしい装置となる。

日浦中学校3年生・中村颯人くん:
クラスメイトが窓を開けるじゃないですか、コロナで。そこで寒いって、みんなが言うんですよ。アンケートを技術部で実施したら、25名のうち20名も窓開けたら寒いって回答して。なにかいいのはないかなってメンバーで話し合って、この換気装置を作ろうと思いました

日浦中学校・新田千佳子校長:
病気のこともあって感染症のことを非常に気にしておりまして、普段の生活でも感染防止を徹底しておりますので、そういうところからアイデアが生まれたのではないかと思います

この「密を感じ取って換気を行う装置」を、第24回「エネルギー利用」技術作品コンテストに動画で出品したところ見事、グランプリを受賞。

中村くんも、移動を伴わないオンラインでの表彰式だったため参加することができた。息子の晴れ舞台を、お母さんも見守っていた。

母・中村圭美さん:
病気を持っていても、がんばればこういうふうにつながるんだなと思いますし、取り組むことで自分で考える力がついたのではないかと思います

日浦中学校3年生・中村颯人くん:
乗り物が好きだから、鉄道乗務員になりたいんですよ。病気があるから運転はできないかもしれないけど、技術部でいろいろ作れたら、整備士とか事務系の仕事でも活躍できるかなと思って、いまがんばっています

そんな中村くんが所属する日浦中学校総合文化部・技術班にとって、SDGsとは?

日浦中学校総合文化部・技術班のみなさん:
SDGsとは、命と向き合うチャレンジです

(テレビ新広島)

テレビ新広島
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