警察庁は、きょう、去年1年間に、全国の警察が摘発した児童虐待事件の件数などを発表した。それによると、摘発件数は過去最多の2174件。被害児童も、これまでで最も多い2219人にのぼった。死亡した児童は54人だった(このうち無理心中が29人)。
新型コロナの感染拡大に伴う外出自粛やテレワークの普及により、在宅時間が増えた他、外部の目が家庭内に届きにくくなったことが影響しているとみられる。摘発された事件のうちおよそ80%を身体的虐待が占めた。次に多かったのは性的虐待(全体のおよそ15%)だった。
摘発人数も、過去最多の2199人。被害者との関係で見ると、実父が最も多い1039人で、全体のおよそ半分を占めた。例年、摘発人数の中で実父が占める割合は最も多いが、1000人を超えるのは初めて。続いて実母が568人、養父や継父が371人だった。
警察庁は、虐待の危険度をパソコンで判定するシステムを導入し、警察官の経験に関係なく、捜査に乗り出す際に判断ができるよう対策を強化している。