アフターコロナを見据えた中国への売り込み。愛媛の観光名所や物産の魅力が、中国のSNSでライブ配信された。その模様を、テレビ愛媛・鈴木瑠梨アナウンサーが取材した。

愛媛の“隠れ家スポット”を中国へリアルタイム配信

「Wechat(ウィチャット)」って知っていますか?
中国最大級のSNSで、利用者数は全世界で12億人以上(月間アクティブユーザー数)。チャットや通話、ライブ配信ができるアプリで、日本で使っているLINEのようなものです。

1月、愛媛・東温市から中国の「WeChat」のライブチャンネルに向けて行われたライブ配信の様子を取材してきました。
配信した場所は、愛媛・東温市の農家レストラン「ぼたん茶屋」。
棚田が広がるのどかな山間で、ボタンの花や山菜料理が食べられる地元でも隠れ家的なスポットです。

農家レストラン「ぼたん茶屋」(愛媛・東温市)
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まず驚いたのは配信の手軽さ。このライブ配信は、撮影・音声・リポーターを、1人の中国人スタッフが1台のスマートフォンで全て行っているんです。

撮影、音声、リポーターは1人が1台のスマホで

言葉はもちろん中国語。配信が始まると、次々とスマホの画面にコメントが書き込まれていきます。

何を配信するかという大まかな構成は決めていますが、配信が始まったらあとはリポーターにお任せ。リポーターはリアルタイムでコメントに返答したり、質問に答えたりしながら、中国の視聴者の関心を放さないように配信を進めます。

コメントはリアルタイムで返す

視聴者数はぐんぐん増加し、あっという間に1万人超え。
その勢いに驚きました。

台本にない自由度が魅力!配信は7時間にも

すると突然、取材している私にリポーターから「一緒にご飯食べて」との声がかかりました。
なんと飛び入り参加で、初めてWechatを使ったライブ配信に出演させてもらったんです。
この台本にない自由度が、ライブ配信の魅力なんだそうです。

鈴木瑠梨アナも飛び入りで出演

突然の参加に視聴者からは、「この女性は誰?」などの書き込みも。私の日本語はリポーターが中国語に翻訳して伝えてくれ、中国とリアルタイムでつながっている感覚を味わうことができました。

この日のライブ配信では囲炉裏を囲んで、アユの塩焼きや東温市名産のどぶろくを紹介。私も渾身のリポートで「好吃(ハオチー)(おいしい)!」。中国の方にも伝わったでしょうか?

「好吃!」伝わったかな?

ライブ配信なので、当然カメラはずっと回しっぱなし。その間、リポーターの方は休みなく話し続けます。無言の状態が続くと、すぐに視聴者数が下がってしまうので、いかに視聴者を飽きさせないかが重要だそうです。

無言はNG リポーターは休みなく話し続ける

配信開始から1時間半ほどたったところで、私は退散。

なんとこの日は、1時間の車での移動中も含めて7時間にわたって愛媛からライブ配信をし続けたそうです。視聴者数は2万を超えたとのこと。

アフターコロナ見据え…観光業復活の起爆剤に?

手軽に世界とつながるライブ配信は、いま全国の企業や自治体から注目を集めています。
その発信力に目をつけ、今回の配信は愛媛県と地域創生に取り組む「ANAあきんど」が企画しました。

コロナ禍で旅行に行けない今、旅感覚を味わうライブ配信で愛媛の観光や特産品などの魅力を伝える。そしてコロナが落ち着いた時に、リアルな旅として中国から愛媛を訪れてもらいたい。そういう先を見た戦略に取り組んでいるのです。

テレビ愛媛・鈴木瑠梨アナウンサー

スマートフォンひとつで、リアルタイムで海外とつながれる時代。
コロナ禍でインバウンド需要が落ち込む中、アフターコロナを見据えたライブ配信が日本の観光業復活の起爆剤になるのか注目です。

(鈴木瑠梨 テレビ愛媛・アナウンサー)

鈴木瑠梨
鈴木瑠梨

テレビ愛媛・アナウンサー

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