岸田首相は3月19日から21日の3日間の日程でインドとカンボジアを訪問する方向で調整に入った。ウクライナ情勢や新型コロナの感染状況を見ながら最終判断する見通し。
複数の政府関係者が明らかにした。
インドでは20日にモディ首相との会談を予定していて、ロシアによるウクライナ侵攻や、中国の海洋進出を念頭に自由で開かれたインド太平洋の実現などについて意見を交わすとみられる。
政府はインドのほか、アメリカ、オーストラリアとの4カ国の枠組み=クアッドの首脳会談を、6月末までに日本で対面で行うことを予定していて、それに向けた調整も行われる見通し。
インドはロシアと伝統的な友好関係にあり、ロシアとウクライナ双方に対し、独自の働きかけを行っている。
首相周辺は「インドはインドで何とかウクライナの事態打開につなげられないか努力をしている」と話していて、岸田首相がモディ首相との対面会談を通じて、一致した行動を取っていけるかが焦点となりそうだ。
カンボジアには20日夜に入り、フン・セン首相と翌21日に首脳会談を予定している。カンボジアは2022年のASEAN(東南アジア諸国連合)の議長国を務める。政府関係者は「ASEAN諸国はどちらかというとロシアに対しての反応が弱い」「ASEAN各国との外交努力を続けて行く必要がある」と話している。
カンボジアはASEAN諸国の中でも中国との関係が近いとされているが、首脳会談では「インド太平洋に関するASEANアウトルック」や「自由で開かれたインド太平洋」の実現に向けた連携も確認し、中国をけん制する狙いもありそうだ。