2022年3月、沖縄県立真和志高校を卒業した長嶺綸子さんは、高校生活での自身の成長を一冊の絵本にした。「同じ悩みを持つ子ども達の力になりたい」絵本には力強いメッセージが込められている。

絵本のきっかけは学校PRするキャラクターから

長嶺綸子さん:
毎日が楽しくて、3年間があっという間に感じました

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2021年度、真和志高校に学校をPRする新たなキャラクターが誕生した。名前は「まゆりん」

考案したのは、真和志高校3年クリエイティブアーツコースの長嶺綸子さん。

長嶺綸子さん:
まゆりんの服の部分は、校章のユリをもとに描いている

昔から絵を描くのが好きだった長嶺さん。高校生活の集大成となる卒業作品では、自身の体験を
1冊の絵本にした。タイトルは「モンスター」

「モンスター」に込めた長嶺さんの思い

長嶺綸子さん:
自分が持っている、上手く喋れない「吃音症」という障がいをテーマに書きました

ながみね りんこ 作・絵「モンスター」:
教室はとてもにぎやかです。でも私はみんなとおしゃべりができない、どうしてかって?
それはね…モンスターがまきついているから。
このモンスターは私の声が嫌いみたい、いつも色んな方法を使って私が喋るのを邪魔してくるの、増やしたり、伸ばしたり、食べたりして…

長嶺綸子さん:
吃音症は目に見えない障がいなので、周りの人も本人もそれが障がいと気づかない事が多くて、それで悩んでいる人もいると思ったので、それを絵本にして小さい子から大人まで読めるような作品にしようと思いました

絵本には、言葉が滑らかに出てこない吃音症で悩んでいた過去についても描かれている。

長嶺綸子さん:
(国語の)音読の時間とかに、自分の順番が来ても最初の一文字が言えないから、ずっと止まったままで皆に笑われたりとかして、辛かったりしたときはありました

気づかされた大事な事…自分はモンスターとどう向き合うか

そんな長嶺さんに転機が訪れる。それは、高校でサポートしてくれるクラスメイトに出会えた事。

長嶺綸子さん:
自分がどもったり、あまり声が出なくなった時とかも、ずっと待っていてくれていました。
自分が思っているよりも、周りはそんなに気にしていないんだなって安心することができました

クラスメイト 仲地沙莉奈さん:
すごく努力家なんです。とってもいい子で優しい子で、友達になれて良かったなと思っています

ながみね りんこ 作・絵「モンスター」:
数も大きさも違うけどみんなモンスターと一緒にいる、大事なのはモンスターとどう向き合っていくかなのかもしれない。これからもモンスターと生きていく

心の支えになるような絵本作家になりたい

自身の心の成長を描いた初めての絵本は、プロも応募するコンクールで最終審査まで残った。

長嶺綸子さん:
自信になりました。
吃音症をもっている人と、そういう障がいをもっている子が周りにいる人に読んでもらいたいです

絵本作家を志す長嶺さんは、この春から県外にある美術の短期大学に進学する。

長嶺綸子さん:
読んだ人が勇気や元気を貰えて、何か心の支えになるような絵本を描ける絵本作家になれればいいなと思います

(沖縄テレビ)

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