沖縄振興開発金融公庫と日本交通公社は、Z世代・ミレニアル世代と呼ばれる現在10代後半から30代の世代を「これからの旅行市場をけん引する世代」と位置づけ、2021年10月、沖縄観光に関する調査を実施。

移動手段をレンタカーに依存する沖縄観光の今後のあり方について、考えさせられる興味深い結果が出た。Z世代、ミレニアル世代、40歳以上の3世代を対象にした沖縄観光に関する調査では、全国の18歳から54歳までの1800人から回答を得た。

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18~25歳の3割「免許なし、レンタカー運転しない」

レンタカーの利用に対する意識について「運転免許を持ち、レンタカーの運転に抵抗はない」と回答した人は、40歳以上が53%だったのに対し、18歳から25歳までの「Z世代」は28%と最も低くなった。

このZ世代は「免許を持っていないため、レンタカーを利用することはない」という回答の割合も、3世代で最も高くなっている。

改めて浮き彫りになった「若い世代の車離れ」。これは移動手段をレンタカーに頼っている沖縄観光への意向にも反映されていた。

「運転免許を持ち、レンタカーの運転に抵抗がない」と回答した人の約6割が「沖縄旅行の計画を立てている、または「今後行きたい」としている。

一方で「レンタカーの運転に自信がない、あるいは免許がなくレンタカーを利用することがない」と回答した人の約6割が「当分の間、沖縄へ旅行することはないと思う」と回答した。

この結果について、沖縄振興開発金融公庫の担当者は。

沖縄振興開発金融公庫 調査部 伊東祥子さん:
実際、沖縄はレンタカーで周遊するというのが観光の大半になっている中で、レンタカーの運転に抵抗があるという方が若い方に多くいて、車離れによって沖縄への来訪意向が高まらないという結果が出たので、非常にインパクトのある結果になったと考えております

レンタカーに頼らない観光地づくりが必要

新型コロナが収束したポストコロナ時代には、大型バスで観光地を巡る団体ツアーよりも、密集を避けた少人数での旅行が人気になることが予想されている。

今回の調査結果を踏まえた沖縄観光への提言では、車を利用しないZ世代などでも沖縄旅行をしやすくするため、レンタカーに頼らない観光地づくりが必要だとしている。

沖縄振興開発金融公庫 調査部 伊東祥子さん:
観光施設側の案内もレンタカーを前提にした交通利用のほうが多く、観光地に初めて足を踏み入れた人が行きたい観光地・観光施設に行きやすいかという視点は、まだ改善すべき点はあると思います

調査結果からも、親世代とは異なる価値観を持つことがわかった若い世代。沖縄観光は、そのあり方を見つめ直す岐路を迎えているのかもしれない。

(沖縄テレビ)

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