2月5日に開かれた沖縄民謡の技術などを競うコンテストで、岡山市の中学生が最優秀賞を受賞した。県外出場者としては初の快挙。彼の歌声に秘められた思いを取材した。
三線は下ろすようなイメージで弾く
巧みに三線を弾き、力強い歌声を披露するのは、岡山市東区の岡山学芸館清秀中学校の3年生、池田陽生さん。

池田さんは2月5日、沖縄・浦添市で行われた18歳以下の島唄者コンテストで、沖縄県の石垣島とその周辺、八重山列島に伝わる古典民謡「とぅばらーま」や方言によるスピーチを披露し、本選に進出した15人のなかで見事優勝を果たした。

池田陽生さん:
名前が呼ばれるとは思わなかったのでびっくりした。八重山の人が歌っている曲を、「共通する雰囲気はどんなものか」を考えながら、たくさん聴いて歌った。こっち(岡山)にはない発音が多いので難しい

池田さんは小学校5年生の時に三線の音に魅せられ、八重山列島の民謡を弾いていた父親の影響もあり、三線の教室に通い始めた。

池田陽生さん:
(三味線とは)皮が違う。ニシキヘビの革を使っている。三味線はたたくというイメージがあるが、三線は下ろすように弾く

「将来は本場沖縄で八重山民謡を」
沖縄県指定無形文化財「八重山古典民謡」の保持者である大工哲弘さんを師匠と慕い、大工さんが会主を務める教室の岡山支部に通いながら、現在は中学校の琉球三味線部でも、部の中心となって活動している。

池田陽生さん:
将来的には沖縄に移住して、本場で学びたい。八重山民謡をもっと広めたい

八重山民謡界の将来を担いたいと夢を語る池田さん。郷愁を誘う歌声には島唄への深い愛情が込められていた。
(岡山放送)