岡山県浅口市の寺に眠る「人魚のミイラ」を科学的に分析するプロジェクトが、倉敷市の大学で始まった。人魚伝説が科学で解明されるかもしれない。

自然科学系、民俗学の専門家が分析

体長約30cmのミイラは、浅口市鴨方町の円珠院で保存されている。頭部には歯、手に爪もあり、下半身にはうろこもみられる。

「歯」や「爪」も確認できる
「歯」や「爪」も確認できる
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「ミイラ」の下半身にはうろこも
「ミイラ」の下半身にはうろこも

岡山県内でも唯一とされる「人魚のミイラ」を科学的に調べようというプロジェクトが、倉敷芸術科学大学で始まった。

円珠院で保存されている「人魚のミイラ」
円珠院で保存されている「人魚のミイラ」

化石哺乳類や魚類学、民俗学など、さまざまな分野の専門家が協力し、ミイラを最新の機器を使って科学的に分析する。

倉敷芸術科学大学生命科学部・加藤敬史教授:
自然科学系、民俗学などが横断的に連携しながら研究を行う。倉敷市や円珠院などを含め地元の方々に、何らかの形で大学での研究成果を還元できるよう研究を進めていきたい

倉敷芸術科学大学生命科学部・加藤敬史教授
倉敷芸術科学大学生命科学部・加藤敬史教授

江戸時代から伝わる? 住職も研究見守る

人魚は、民間信仰の対象として全国各地で広く伝えられる伝説の生き物。円珠院に伝わるミイラも江戸時代のものとみられ、一緒に付けられた文書には「高知沖で魚の網にかかった」との記載があるものの、詳細はわかっていない。

円珠院・柆田宏善住職:
ミイラを携帯の待ち受け(画面)にして、自分のお守りにする人もいるので。このコロナ禍で皆さんを守ってくれる、何か力になればということを一番思っている

円珠院・柆田宏善住職
円珠院・柆田宏善住職

研究チームでは、2月4日までエックス線によるCT検査などを行い、3月中旬に途中経過を報告したあと、9月中旬には研究結果をまとめることにしている。

(岡山放送)

岡山放送
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