愛犬のためのフルサービスホテルが都心に誕生する。
アフターコロナを見据えたホテル戦略に迫った。

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“快適さ”にこだわり

東京・芝公園にほど近い場所に完成したホテル、その名は「inumo(イヌモ)」。
ここは愛犬と泊まれるホテルだ。

ペットと泊まれるホテルは都内にもあるが、このホテルは“快適さ”にこだわった。
リードをつければ館内どこでも自由に歩くことができ、廊下の床は汚れにくく、歩きやすい素材を使用している。

客室では、ベッドで愛犬と一緒に寝ることができるのはもちろん、人間用だけではなく、犬用のトイレも完備。足拭きや餌入れのお皿も用意されている。

料金は、2名1室朝食付きで5万円ほど。
朝食には犬のご飯も含まれていて、レストランで一緒に食事を楽しむことができる。

ドッグランやトリミングサロンも完備

さらに「ドッグキッチン」というスペースでは、愛犬がいつも食べているご飯を自宅から持参し、調理することができる。
体重計も用意されているので、体の大きさに合わせて平均的な摂取カロリーや食事量を調べることもできる。

地下には、都内では珍しい広々としたドッグランを完備。
一時預かりスペースもあるため、愛犬と一緒に行けない場所にも安心して出かけることができる。

また、トリミングサービスが受けられるサロンも。
このほか、入り口の専用の足洗い場や各階のエレベーター前に足拭き用のグッズも設置されている。

住友不動産ヴィラフォンテーヌ・桝井俊幸社長:
ホテルを取り巻く環境がかなり厳しい中、何か新しいことにチャレンジできないかということで、新しい需要を生み出したいなと。平時に戻ればコロナ前のホテルの稼働は十分に目指せるのではという思いでやっています。

「都心✕ペット」で差別化

三田キャスター:
マーケティングアナリストの 渡辺広明さんに聞きます。
渡辺さんは、愛犬と一緒に泊まれる都心のホテルをさっそく取材されたということですが、いかがでしたか?

マーケティングアナリスト・渡辺広明さん:
近くの芝公園で東京タワーを望みながら散歩ができる立地です。
また、ホテル内のドッグランなど、愛犬が部屋の中で自由に過ごせること、館内を抱っこせずにリードだけで移動できるのは、愛犬家にとっては最高だと思います。

都市圏のホテル経営は、アフターコロナではインバウンド顧客の回復は期待出来るものの、出張客の減少は継続するので、 他が手を出していない鉱脈を掘り当てることは大事だと考えます。

三田キャスター:
ペット同伴可能な宿泊施設が増えサービスも多様化していますが、都心でということについてはどうお考えですか?

渡辺広明さん:
15歳未満の子どもがいる家庭よりも、犬や猫などを飼う家庭の方が多いのが現状です。
子ども連れのファミリー層を狙うのではなく、東京都心でペットと宿泊できるサービスの強化は、差別化戦略として期待出来ると考えます。

東京に遊びにくる地方客にとって、愛犬をホテルに預けて食事や観光に出かけられるのは嬉しいのではないかと感じます。

三田キャスター:
ペットは家族ですから、こうしたペットフレンドリーなサービスや施設はさらに増えていってほしいなと思いますし、一方でアレルギーのある方や動物が苦手な方もいますので、一般の旅行者への配慮も忘れずにいたいと思います。

(「Live News α」2月15日放送)