盛り上がりを見せているイチゴスイーツ。
農水省や総務省のデータをもとに算出すると、イチゴの1人当たりの購入量が減少傾向にある一方で、スイーツなど業務・加工品用の需要は、増加傾向にある。
盛り上がりの秘密を取材した。

“イチゴの集客力”ホテルや家具店が実感

ホテルニューオータニ大阪の『スーパーいちごビュッフェ』。
11周年を迎える2022年は、花をテーマに24種類ものイチゴスイーツが勢ぞろい。2月はすでに予約で埋まり、4月末まで期間を延長する人気ぶりだ。

ホテルニューオータニ大阪 濱川未来さん:
スイーツビュッフェの中でも、一番反響いただくのがイチゴビュッフェになりますので。例年だと、期間中で約3万人のお客さまがお越しいただきます

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また、インテリア雑貨や家具を販売するIKEAでは、4年前から「ストロベリーフェア」を行っていて、ほかのデザートフェアに比べて売り上げは約3倍と大人気だ。

IKEA鶴浜 ローカルマーケティングマネジャー 中河美香さん:
アクティビティ(デザートフェア)を通して、IKEAに来店するきっかけや楽しい買い物体験を目的にしています。実際こちらを目当てに来られる方が年々増えておりまして、リピーターの方も多くいらっしゃいます

使われているグラスや皿は商品として販売していて、本業の売り上げにも貢献しているそうだ。

イチゴスイーツについて街で聞いてみると…

男性:
コンビニでイチゴがあったら、イチゴのスイーツ買います。自分が疲れた時とか、何かを達成した時のご褒美

別の男性:
どっちかって言うと、生で食べるより、上にのってるほうが美味しそうに見えますね

高まる「イチゴスイーツ需要」のワケ

なぜイチゴスイーツの需要が高まっているのだろうか。

大阪市此花区にある青果店が経営するタルト専門店『ふぁみり~たると』。
ここで大人気だというのが、約70個のイチゴが積み重ねられた高さ15cmのタルト。透明の筒を引き上げると…

薄田ジュリア・キャスター:
イチゴの山ができてる!これはテンション上がりますね。(食べて…)うーん!タルトめちゃくちゃおいしい!タルト生地と、やさしい甘みのカスタードと、この紅ほっぺの果肉感と優しい酸味、すごく美味しいです

ふぁみり~たると 荒山拓哉さん:
フルーツをまず身近に感じてほしいということで。なかなか若い世代の方々がフルーツを購入しに来ていただける機会が少ないのを、ずっと実感しておりまして。このフルーツタルトの土台の力を借りて、イチゴを食べて欲しいという思いです

実際、販売後は中学生など若い人がタルトを買いに来るように。さらに、その流れでフルーツを見にくる人も増え、青果店の来客数は1割から2割ほどアップしたそうだ。

イチゴスイーツの人気について、専門家は次のように分析する。

日本協同組合連携機構 岩崎真之介さん:
デザート感覚で食べるものが多様化していってるので、あえて果物を選択するという消費者が減ってきているということがあるんじゃないかと思います。若者からは、生のイチゴよりも華やかに加工してある、イチゴを使った食品の方が選ばれやすくなっているということがあるかもしれませんね

さらにイチゴの消費量が減っている一因には、卸売価格の上昇傾向があるという。

日本協同組合連携機構 岩崎さん:
(値上げの要因は)おそらく生産量が減少しているということがあると思います。一番手間のかかる収穫作業、それから収穫したイチゴのパック詰めの作業。この部分が基本的に手作業で行わなければなりません。
非常に手間・時間がかかってしまうために、面積を拡大するということが難しいので、より高く売れるように(という意味でも)品種改良しようという方向だと思います

農林水産省によると、1980年代には35品種しかなかったが、今や300品種以上に増え、価格も約1.5倍になっている。

イチゴの専門家も単体ではなく“スイーツ店”に

そんな増え続ける品種を研究している“苺専門家”が京都にいた。

イチゴスイーツ専門店『メゾン・ド・フルージュ』を開いている渡部美佳さん。
日本全国だけでなく世界のイチゴを食べ歩き、これまでに100以上のレシピを作った。さらに、品種登録される前に、その味の特徴を研究者に伝えている。

苺専門家 渡部美佳さん:
色んな品種を今の時期に、一番いい状態でお届けするのがこだわりですね

薄田キャスター:
なぜイチゴ単体ではなく、スイーツ店だったんでしょう?

苺専門家 渡部さん:
イチゴそのものの販売だと、店としてはどうしても難しいんです。年間通して楽しんでもらうと考えると、イチゴのお店、お菓子、ジャムにしてっていうのが一番いいのかなって

店では、その日のイチゴの状態を見て、品種を変えてスイーツを作っている。

苺専門家 渡部さん:
うちのお店では表現する幅が広くなったと思いますね。ショートケーキに入れたらどんな味になるんだろうというような、そういったすごくマニアックな感じの楽しみ方を(お客さん)皆さんされます

イチゴの魅力を引き立たせるスイーツ。今後も目が離せない。

(関西テレビ『報道ランナー』内「ヒットにワケあり!オカネのヒミツ」 2022年2月8日放送)

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