長引くコロナ禍で、ワタミは居酒屋40店舗を年内に閉店する。

40店舗を年内閉店 業態転換などで収益確保へ

外食チェーンのワタミは、居酒屋約270店舗のうち40店舗ほどを年内で閉店すると明らかにした。

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継続する店舗についても、一部は「焼肉店」や「すし店」への業態転換を進めるほか、好調な宅配事業を強化するなどして収益を確保したい考えだ。

ワタミは新型コロナウイルスの感染拡大前まで、居酒屋業態を450店舗展開していたが、店舗数は約半分に減少することになる。

外食事業は売上縮小も宅食事業は好調

三田友梨佳キャスター:
株式会社キャスター取締役CROの石倉秀明さんに聞きます。
飲食チェーンの経営は難しい局面が続いていますが、石倉さんはどうご覧になりますか?

株式会社キャスター取締役CRO・石倉秀明さん:
コロナ禍の影響を受けて売り上げが減少していますし、苦しい局面であるのは間違いありません。直近の決算によると、ワタミグループの売上構成比率は、外食事業が20%程度に縮小する一方、宅食事業はその3倍規模になっているんです。

感染の収束が見通せない中、 ワタミは外食・宅食ともに新業態への転換などを通して利益を確保する工夫を行っている印象があります。

外食は“商品開発”に特化

三田キャスター:
具体的にはどのような工夫がされているのでしょうか?

石倉秀明さん:
利益率の低い製造などを行わず、商品の企画・開発などに特化して高利益率を維持する。
その代表例がアメリカのアップル社だったりしますが、ワタミの外食事業も同じことを模索しています。

例えば、キッチンカー事業を中心にフランチャイズでの展開を加速させています。
ワタミ本体は、付加価値の高い「ブランド作り」とか「商品開発」に特化することで、利益率の改善を図っています。

一方で、いま主力になっている宅食事業に関しては、商品企画から仕入れ、調理、販売までを全て一気通貫でまかなうことで、拡大して売り上げを伸ばしやすい戦略をとっています。
このように業態転換を行う際に、収益構造の転換・改善をセットでやれているのは大きいと思います。

人事制度や組織変革がキーポイント

三田キャスター:
そのように新しい業態に転換する際には、どのようなことが大切なのでしょうか?

石倉秀明さん:
他業種で使われていたフレームワークや仕組み、考え方を自社に取り入れ、事業や収益構造を変えられる人が他業種からどれだけ入ってくるか、社内にいるかというのが大事だと思います。
そのためには、人事制度や組織自体も柔軟に変えられるかといったところがキーポイントになると思います。

三田キャスター:
業態の転換によって収益の改善につなげることで、成長への新たな道筋が見えてくるようです。

(「Live News α」2月14日放送分)