鹿児島の特産品、桜島大根は今が旬。そのパワーを込めたサプリメント作りに曽於市の企業が挑戦した。開発に携わった3人の女性の思いに迫る。

血管を軟らかくする成分を発見

健康食品などの製造販売を手がける日本有機株式会社。1月20日に発売したのが「桜島大根のサプリメント」だ。誕生のきっかけは、ある女性との出会いだった。

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桜島大根研究の第一人者、鹿児島大学の加治屋勝子さん。2019年、桜島大根に「トリゴネリン」と呼ばれる成分が多量に含まれていることを発見した。

鹿児島大学 農学部・加治​屋勝子講師:
血管は硬くなると病気になってしまいますが、トリゴネリンは軟らかくして血管の病気の予防に役立つ成分です。桜島大根には、青首大根に比べて60倍くらい入っています

「研究の成果を多くの人に還元したい」と、加治屋さんは旬の時期以外にも気軽にトリゴネリンを摂取できるものを商品化したいと考えた。

そのうわさを聞きつけたのが、鹿児島大学で経営協議委員をしていた日本有機の野口愛子社長。自社のノウハウを生かせると、サプリメントの開発を買って出た。

日本有機・野口愛子社長:
全然知りませんでした。初めて聞いた名前で、トリゴネリンという言葉が覚えられなくて大変でした。この桜島大根で皆さんの血管がしなやかになるなら、ぜひ作りたいと思った

桜島大根170g分を…2年に及んだ開発

こうして始まった共同開発。目標は、1日に摂取してほしい量として加治屋さんの研究から導かれた「桜島大根170グラム分のトリゴネリン」を摂取できるようにすること。

錠剤にするかカプセルにするか。何度も試作を繰り返し、開発には約2年かかった。

そんなサプリメントの原料となる桜島大根の加工を担当するのは、桜島の麓で加工食品を製造販売する、さくらじま旬彩館。ドレッシングなど多くの加工食品を手がけてきたが、これまでサプリメントの原料を作った経験はなかった。

しかし、「地元で加工することでコストを下げられるはず」と、社長の中島孝子さんは挑戦を決意。

どうすればトリゴネリンを効率よく残すことができるのか。さまざまな乾燥方法や時間で試し、時には葉の部分を混ぜたりするなど、試行錯誤を続けた。

――(工場の扉前で)この先は?

さくらじま旬彩館・中島孝子社長:
企業秘密です。粒の大きさや乾燥の具合、細菌などの菌数をどれだけ抑えられるか。サプリメントに関しては、そういったところにすごく気をつかった

手軽なサプリで「健康、幸せになってほしい」

こうして完成した桜島大根のサプリメント。3人に、カプセルに込めた思いを聞いた。

鹿児島大学 農学部・加治屋勝子講師:
いつでも身近に備えてもらって。「最近、食生活が乱れているな」とか「疲れ気味だな」という人にパクッと食べてもらいたい

さくらじま旬彩館・中島孝子社長:
元気で、皆さん幸せになってほしいです

日本有機・野口愛子社長:
大きな桜島大根が、小さいカプセルにギュッと詰まっていて。これで皆さんの健康が守られるなら最高に幸せだなと思う

桜島大根で体もふるさとも元気に。3人の女性たちの挑戦が、桜島大根にも負けない大きな実を結んでいる。

(鹿児島テレビ)

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