鹿児島テレビでは1月28日、感染の第6波の対応にあたる鹿児島市の医療機関を取材した。
新型コロナウイルスのオミクロン株は感染力が強く、重症化率が低いと言われているが、感染者の症状や医療機関の対応は、2021年の第5波と比べどのように変化しているのか?
鹿児島市立病院 櫻木佳代子看護師長:
今ちょうど先生が入るところ
医師:
状態変化、呼吸状態、熱とか診察に行くところです

オミクロン株の“感染力”警戒…ゾーニングに違い
鹿児島市立病院のコロナ病棟。
患者を診察する医師は、二重手袋やフェイスガードを着用し、患者の元に向かう。

鹿児島市立病院では、2021年の第5波以降、次の感染の波に備え準備を進めてきた。
2021年9月、第5波のさなかにある鹿児島市立病院の映像。
この時、患者のいるレッドゾーンと感染リスクが低いグリーンゾーンを仕切っていたのは、透明なビニール。

現在その場所には、アクリルのパーティションが設置され、空間が区切られている。

また、医師らが防護服に着替えるイエローゾーンには、新たにドアが設けられた。


鹿児島市立病院 櫻木佳代子看護師長:
オミクロンは感染力が非常に強いと自分たちも聞いているので、しっかり区切った空間で、グリーンゾーンで仕事ができるのは、スタッフも安心感があると思います
病院職員が撮影したレッドゾーンの様子。
医師:
ちょっとまだせきが残っていますね

1月中旬から入院する70代の女性。
女性は酸素投与が必要な中等症で、鼻からチューブで酸素を取りこんでいる。
入院している70代女性:
(入院当時は)熱も上がったり下がったりで、もっときつかったけど、今は熱も出なくなって、せきが少し残っている
(Q.よくなってきたという実感はある?)
入院している70代女性:
楽になってきた

入院している70代女性:
病院通いと、近くのスーパーの買い物と、そのくらいしか行っていないので
(Q.どこで感染したか分からない?)
入院している70代女性:
全く分からない状態です
第5波より入院期間は短く…現場に新たな負担も
鹿児島市立病院のコロナ病床はこの日、18床のうち16床が埋まっていて、そのうち中等症の患者が4人。1月に入り、重症者や死者はいない。

鹿児島県内でも感染が爆発的に広がるオミクロン株。
これまで最前線で患者と向き合ってきた医師は、第5波との違いを感じている。
鹿児島市立病院 新型コロナ担当呼吸器内科 籾博晃部長:
若い方も結構いて、10代とか20代前後がそんなに少なくない。あまり症状は変わらないんですけど、肺炎を起こす方が少ない。鹿児島市立病院では4分の1くらいが中等症。第5波の時は半分以上は中等症だったので、かなり違うなという感じはしますね

症状が重い人が減り、第5波に比べると患者の入院期間は短くなったという。
しかしその分、患者の入れ替わりが早くなり、現場では新たな負担が生じている。
鹿児島市立病院 櫻木佳代子看護師長:
回転の早さとか、子どもや妊婦も多かったりするので。スタッフが全員全ての領域に精通しているわけではないので、そこに戸惑いながら看護を提供している。部屋を全部消毒をして次の患者さんに備えるので、時間が間に合わない時もあったりするのが現状です

飲み薬「モルヌピラビル」の効果を実感
そんな中、鹿児島市立病院では、1月から新たな治療法も取り入れている。
2021年12月、特例承認された新型コロナの飲み薬「モルヌピラビル」の投与だ。

鹿児島市立病院 新型コロナ担当呼吸器内科 籾博晃部長:
適用症例は、軽症と中等症かつ重症化リスクを持っている方。例えば高齢者とか、糖尿病があるとか、そういう方々は飲んでもらったほうが良いとされている
鹿児島市立病院では、これまでに2人の患者に投与し、薬の効果を実感している。
鹿児島市立病院 新型コロナ担当呼吸器内科 籾博晃部長:
1名は高齢の方、もう1名は糖尿病があって(重症化)リスクがある方というので、2名使った。高齢者の方が顕著だったんですけど、3日くらい熱が続いたんですけど、その後解熱して(入院から)10日目で帰って行った

オミクロン株により広がる感染の第6波。
ウイルスの変異で患者の状況にも変化がみられる中、医療機関は状況を見極めながら、日々対応を続けている。
※情報はいずれも1月31日時点
(鹿児島テレビ)