「色」の持つ力を利用して心を癒やす「カラーセラピー」と呼ばれる活動に力を注ぐ女性が香川県の直島にいる。閉塞感漂うコロナ禍の今だからこそ、伝えたい色の力とは。

心の状態を表す「色」

赤、青、緑に黄色。この世には、約1,677万もの色が存在すると言われている。その「色」に魅せられた1人の女性が。

(Q.きょうのテーマカラーは何ですか?)
山西利恵さん:

きょうは青系でまとめてみました

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(Q.爪の色まで青なんですか?)
山西利恵さん:

そうなんです。(爪も)2本ブルーに塗ってみました

瀬戸内に浮かぶ自然豊かな島、香川県の直島。

3年に一度開かれる現代アートの祭典・瀬戸内国際芸術祭をきっかけに、世界的にアートの島として知られるようになったこの島に、どこか懐かしい雰囲気の雑貨店「atelier mitta」がある。

店には、着物の生地をリメイクしたワンピースや、香川の伝統的工芸品、保多織を使った髪飾りなど、手作りの雑貨が並んでいる。

香川の伝統的工芸品・保多織を使った髪飾り
香川の伝統的工芸品・保多織を使った髪飾り

これらを手掛けるのは、山西利恵さん(47)。今から4年半前、長年暮らした東京から単身、直島に移住し、島の人と共同で雑貨店を営んでいる。

山西利恵さん:
価値観は180度変わったかもしれない。東京にいた頃はビルに囲まれていて、外に出ても空を探すというか、空が見えなった。(移住して)心が落ち着くし、性格も落ち着いたかも

(Q.それは何ですか?)
山西利恵さん:

こちらは72色の色鉛筆です。カラーセラピーをやっています

(Q.カラーセラピーとは?)
山西利恵さん:

色を心身の健康のために活用するのがカラーセラピー、色彩療法です。例えば、赤でもいわゆる赤、朱色よりの赤、オレンジの強い赤で全部意味が違います

実際にカラーセラピーを、森アナウンサーが体験させてもらった。

山西利恵さん:
きょうはマンダラカラーキューブテストを体験してもらいます。普段は右利きですか?

森アナウンサー:
はい

山西利恵さん:
左手で色鉛筆を選んで、右手で塗ってください。違うマスで同じ色を使っても大丈夫です。時間の目安は7分です

過去、現在、未来の心や体の状態、仕事の目標などを、塗った色や順番、濃さで診断。色の持つ力で心を解きほぐすのがカラーセラピー。

森アナウンサー:
完成しました

山西利恵さん:
オレンジ色を中心に塗っていますが、こちらは今、現在の森さんの心の中を色で表している状態です。とても活動的な気持ちで、人に会いたいとか、人と関わること、親切にすること、表されていると思います

森アナウンサー:
色の持つ可能性はすごいですね

山西利恵さん:
やはり、洋服にしても、みなさんたくさんある色の中から実際に選ばれているので、その理由が分かると、とてもびっくりされます

高松市出身の山西さんは、高校卒業後上京し、渋谷で雑貨店をオープン。接客を通して色の持つ力を感じたと言う。

山西利恵さん:
この色がほしいとおっしゃる方がすごく多くて、自分も色に興味があったので、カラーセラピーを学ぶきっかけになりました。色によって(生きるのが)楽しくなれると、どんどん提案していきたい

島の景色や人との交流が癒やしに

直島には、学生時代から旅行などで何度も訪れていたという山西さん。

山西利恵さん:
ほんとに(島の)みなさん、家族のように優しくしてくれるので

島の住人:
我が子みたいなもん。おい、元気しとるか?とか言いながら

今では島の人との交流も癒しのひととき。そして、もう一つの心の癒しが…

山西利恵さん:
高松がくっきりと見えます。雲によって海の色もどんどん変わるので、見飽きないですね。こういう景色を見て、ぼーっとできるのが豊かなことですよね。贅沢かな

(Q.自然が織りなす色は違いますか?)
山西利恵さん:

一番複雑な色で、しかも微細に変化しているので、こういう景色を見るのがまさにカラーセラピーだと思いますね

「色」の持つ力で、1人でも多くの人の心が元気になってほしい。
どことなく息苦しい日々が続くコロナ禍の今、そんな山西さんの願いが瀬戸内海の小さな島で息づいている。

(岡山放送)

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