水分を含んだ風が木にぶつかり凍る…冬の自然の芸術
三重県菰野町の御在所岳は、秋の紅葉シーズンでおなじみだが、冬も魅力がいっぱいだ。この季節だけ見られる自然の芸術「樹氷」に、スキーや登山、雪遊びなど、他の季節とはまたひと味違った魅力をご紹介する。
名古屋から車で約1時間の三重県菰野町の御在所岳。湯の山温泉街と標高1212メートルの御在所岳を結ぶ全長2.1キロの「御在所ロープウエイ」は、白く雪化粧した絶景を眼下に眺めながら、山頂まで約15分の空中散歩を楽しめる（往復料金：大人2450円、小人1220円）。
ロープウエイを降りると、白銀の世界が目の前に広がる。
御在所ロープウエイの担当者：
御在所の冬の魅力といえば「樹氷」。木の上に雪が積もったわけでなく、空気中の水蒸気が木の枝に付着して凍ったもの
「樹氷」は水分を含んだ風が木にぶつかって凍る自然現象で、冬の間だけ見ることができる“自然の芸術”だ。午前中は樹氷目当てのお客さんが多くやって来る。
女性客A：
樹氷がきれいなので見に。青空に樹氷が映えて、きれいだった
男性客A：
年間パスで今日が48回目。春になるとドウダンツツジとか、きれいな花が咲くんですが、冬も花みたいですよね
山上公園内には散策路も整備され、樹氷の並木道や鈴鹿の山々も楽しめる。
今シーズンは雪に恵まれ、多くのスキーヤーが来場
標高1200メートルには、三重県で唯一のスキー場である「御在所スキー場」が。平均斜度25度の上級者用ゲレンデと、滑走距離210メートルの初級者用ゲレンデがある。2022年で61年目を迎える御在所スキー場だが、ここ数年は雪不足に悩まされてきた。
御在所スキー場の担当者：
例年は雪が少なくてほとんど人工の雪で。2021年は年末にたくさん降りました。雪質は最高、サラサラのパウダースノー
今シーズンは雪に恵まれ、ほとんど造雪機を使わずに営業ができている。
父親A：
この子（娘）のスキーデビューのために。ファミリーゲレンデなのでいいですね、なだらかなところが
男性客B：
近場でスキーができるのを知っていたので、初めて来てみようかと
初心者も多く訪れるため、板やブーツなどのレンタルも充実している。今シーズン4回目というご家族も…。
父親A：
この子ら（娘たち）を連れてくるにはちょうどいい
母親A：
近くにこういうスキー場があると、ありがたい。すがすがしく、リフレッシュできます
講師が教えた人の孫も…3世代にわたり愛されるスキー場
1960年にオープンした御在所スキー場。開業当時は6コースあり、国体のスキー県予選など様々な大会が開催されていた。
1時間のスキー教室（土日祝のみ）は、38年前から行われているという。数十年ぶりに板をはいたという女性は…。
母親B：
長くやっていなかったので、できるかなという期待と、娘と一緒に滑れたらと思って
娘：
怖いなと思ったけど、どんどん上手になって楽しくなってきました
スキー講師の男性：
こうやってると、教えた人のお子さん、お孫さんが来てるんですよ。ありがたいですね
御在所スキー場は手軽に雪遊びができるのが売りで、ソリ専用のゲレンデも。レンタルもあるため、手ぶらで楽しめる。
父親B：
ソリ遊びもできるので御在所に。冬らしい遊びをしたいなと。子供が喜ぶ
母親C：
家に積もっても、こんなに遊べるくらいは積もったことがないので
また、御在所岳は登山道がいくつもあり、山歩きを楽しむ人の姿も。麓から2時間半かけて登ってきた男性は…。
男性客C：
やっぱり達成感がある。景色に感動します
一番人気は三重の食材にこだわったカレーうどん
お昼になると、山上公園駅内にあるレストランが賑わう。人気メニューは？
男性客D：
カレーうどん。ネットで見て食べようかと
一番人気の「御在所カレーうどん」（950円）は、カツオ出汁ベースの和風カレースープに、モチモチの伊勢うどん、そして地元・菰野町で飼育された豚バラ肉を使った角煮など、三重の食材にこだわった一杯だ。
御在所ロープウエイの担当者：
毎日、雪景色は見ているけど、やっぱりテンション上がります。御在所スキー場で冬を思いっきり満喫していただけたら
自然の芸術「樹氷」にスキーや雪遊び…。冬の御在所岳は、魅力満載だ。
（東海テレビ）
